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NBA

波紋を呼ぶ八村塁・阿蓮兄弟への“差別発言”。NBAでも過去に選手やオーナーによる差別問題が<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.05.07

 また、2017年には選手間(一方は元選手)の間で“アジア人差別”の発言も飛び出した。

 当時ブルックリン・ネッツに所属していたジェレミー・リンは、台湾系アメリカ人。髪型をころころ変え、その多くがユニークなスタイルだったリンは、この時はドレッドヘアに挑戦していた。

 これに噛みついたのが、ネッツOBのケニョン・マーティンだ。2000年の元ドラ1は、自身のInstagramで「この愚かな行為を許したネッツのチームメイト、そして組織に失望した」「自身のラストネームが“リン”であることを、この男に思い出させなければならないのか?あんなふざけた髪型で、俺がいたチームにいていいわけがない。誰か彼に伝えるべきだ。『オーケー、お前は黒人になりたいんだな』とね。わかるよ、でも(君の)ラストネームは”リン“なんだ」と発言したビデオを投稿。まるでドレッドヘアが黒人文化特有のもので、アジア人がそれを真似してはいけないというような論調を展開した。
 
 当然、この発言には非難が殺到し、マーティンは投稿を削除。さらに後日、メディアを通じて「あれはジョークのつもりで、俺も笑いながらそういう気持ちで話していたんだ。ただ、それが行き過ぎてしまった。俺は人種を理由に他人を見下すような奴を軽蔑しているし、彼を差別する意思もない。怒らせるつもりではなかったことを理解してほしい。彼の幸せを願っているんだ」と弁明、そして誤解を解くためにリンの電話番号を聞き出そうとしていると語った。

 これに対し、リンは非常に大人な対応を見せた。マーティンが漢字のタトゥーを入れていることを引き合いに出し「問題ないよ。あなたが僕の髪型を気に入る必要はないし、自分の意思を自由に持つ権利がある。正直、これについてあなたがシェアしてくれたことに礼を言いたいくらいだ。僕がドレッドヘアにしていて、あなたは中国語のタトゥーを入れている。これは互いをリスペクトする証だと思うから、感謝しているよ。マイノリティとしてお互いの文化を尊重すればするほど、社会に好影響を与えられると思う」とコメントした。
 
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