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日本代表

バスケで海外を渡るなら…必須となるのは「語学」と「メンタリティ」。異国で挑戦を続ける山田愛の見解

THE DIGEST編集部

2021.10.15

■バスケットを通して身についた<伝える英語>

 現地では語学学校(MelbourneにあるILSC)に通っていました。外国から来ている人たちが大勢いて、私は下から三番目のクラス。授業内容は日本の英語の授業のような、日常会話を話すためのコースでした。

 語学力がついたのかどうか、実感が持てないまま1か月半が経った頃、ホストファミリーがバスケの試合に連れて行ってくれました。これがきっかけで「また、バスケがやりたい!」と思い、運よく地域のチームに入ることができました。ただ、語学学校の授業時間とバスケの練習時間が被ってしまっていたので、とても悩みましたが、バスケをやりたい気持ちが強かったので語学学校を辞めました。

 では、どうやって英語が上達したのかというと、バスケチームでのコミュニケーションを通してでした。チームでの英語環境はすごく刺激的でした。チームには現地のオーストラリア人以外に、インポートプレーヤー(国外選手)としてアメリカ人が所属し、オーストラリアの英語とアメリカの英語を両方聞いて過ごしました。

 当時は流れるように話すアメリカ英語が聞きづらかったりもしましたが、ネイティブのチームメイトと一緒に過ごすにつれて、「理解したい!伝えたい!」という気持ちが芽生えました。チームメイトは同じくらいの年代の人たちばかりだったので、とても仲良くしてくれて、それぞれの年代が使う英語を聞きながら身につけていきました。正しい文法を使った英語ではないかもしれないけれど、<伝える英語>はバスケを通してとても上達したと思います。
 
■海外でバスケをプレーするのに必要なものとは?

 バスケをプレーするにあたり、実際に何が必要だったのかというと、実は語学力よりも怖気づかない、挫けない、自分に負けないメンタルの方が大切だったと思います。例えば、タイムアウトになった時、思っていることは言えたほうがいいし、コーチの言っていることを理解しなくてはならないので、語学力は必要だとは思います。でも、思っていることは、完璧に喋れなくても、片言の英語でも意思を表す・伝えることが大事だと思います。

 そしてコーチやチームメイトが言っていることを聞いて、「理解している」ということを相手に伝えることも同じくらい大事です。よくわからなかったら、「Pardon?」「Sorry?」「Can you say that again?」などと、怖気づかないでちゃんと聞き返すこと。そして少しでもわかったら、「私はちゃんとあなたの言いたいことをしっかり全部理解している」と伝えることが必要です。

 そこが曖昧で、「この子は理解しているのかな?解っているのかわからないな」と思われてしまったら、相手にマイナスな印象を与えてしまう。そしてその印象は試合に出られるか、出られないかに関わってきてしまいます。相手の話していることを理解できるまで聞き返すような強い気持ちは必要だと思います。
 
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