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NBA

「この街のイメージに、自分はピッタリ」東京五輪中にニックスと契約したフランス代表戦士。加入の“決め手”となったのは?<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.10.23

今年の東京五輪では普段の精神状態ではなかったが、チーム最多の平均18.7点の活躍で、フランス代表の銀メダル獲得に大きく貢献した。(C)Getty Images

今年の東京五輪では普段の精神状態ではなかったが、チーム最多の平均18.7点の活躍で、フランス代表の銀メダル獲得に大きく貢献した。(C)Getty Images

 ただ、「100%、大会だけに集中しようとはしていた。普段は、朝起きたら試合のことを考え、勝つために自分がやるべきことをビジュアル化する。しかし今回は、自分はどこに行くことになるのだろうかと、電話のメッセージを見ることから1日が始まった」と、厳しい精神状態で臨んでいたことを明かしている。

 ちなみに夏の時点で、第一希望はセルティックスとの契約延長だった。最終的にニックスとの話がまとまったわけだが、加入の決め手となったのは、シボドーHCの存在だったという。

「彼のようなタイプの指導者が好きだ。選手から最高のものを求めるが、その彼の求めに関して、自分はまったく違和感がない。厳しいが、理に適っている。彼自身のやり方があり、実際それは機能している」

 昨季、シボドーは就任初年度にしてニックスをカンファレンス4位に引き上げ、2013年以来のプレーオフ進出を実現した。

 チームは上昇気流にあり、熱狂的で知られるファンの期待も高まっているが、フォーニエは「そういうプレッシャーが好きなんだ。プレーヤーであれば、何か大きなことに参加したい、プレッシャーのかかる大きな試合を経験したいと思うものだ。これは自分にとって大きなチャンスだ」と、新たな挑戦を歓迎している。
 
 ニックスとのリンクは数年前から囁かれていたが、このタイミングでフリーエージェントになって入団することになったのは運が良かったとフォーニエは感じている。

 その戦闘意識は、欧州チャンピオンになるなど、やはり高いレベルでプレーしていたアスリートの両親から受け継いだものだ。ただし両親がプレーしていたのはバスケではなく、柔道。

 フォーニエはそんな両親のおかげで、子どものころから常に「競技」というものが身近にある環境で育った。そして両親も、息子の教育にスポーツは重要だと考え、柔道はもちろん、体操や水球など、さまざまな競技に取り組ませた。その中でエバン少年が「一目惚れ」したのがバスケだった。

 初めてプレーした日からこの競技の虜になると、エバン少年は、どこへ行く時もバスケットボールを手放さないほど夢中になった。

 毎朝早起きして、学校に行く前にシュート練習をし、学校へ行く道すがらも、シュートフォームを真似しながら歩くような少年時代だった。
 
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