サンアントニオで開かれた会見で、そう謙虚に語ったジノビリ。ただ、スパーズが2003年以降に4度もNBAチャンピオンとなったのは、彼の貢献なしには語れないだろう。
とくにデトロイト・ピストンズと第7戦まで戦った2005年のファイナルで、ジノビリはシリーズ平均18.7点、5.9リバウンド、4.0アシスト、1.3スティールと大暴れ。相手の強固なディフェンスを何度も切り崩し、強烈なインパクトを残したそのパフォーマンスは、ファイナルMVPを獲得したティム・ダンカンでさえ「MVPはジノビリだと思っていた」と漏らすほどだった。
片腕だけで繰り出してしまうクロスオーバーや芸術的なボールフェイク、変幻自在のムーブで相手ディフェンダーを翻弄。シグネチャームーブとも言えるユーロステップ、通称“ジノビリステップ”を駆使して多くのハイライトシーンを生み出した。
「私は自分で何かを作り出したり、何か新たなものを持ち込んだとは見ていない。私はただ、自分にできるやり方でプレーしてきたんだ」と振り返ったジノビリにとって、NBAキャリア序盤はシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)相手に点を取ることをチャレンジとして自らに課していたという。
「シャックを越えてダンクしようとはしなかった。私は自分が持つスキルセットとフィジカル面の能力を駆使して、リムへと達する方法を見つけたんだ」
一般的にNBAへユーロステップを持ち込んだと言われているのは、1990年代にプレーしたサルナス・マーシャローニス(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)。だが、このスキルを浸透させたのがジノビリなのは間違いない。ペイントエリアに複数のディフェンダーがいようと、お構いなしに鋭く素早いステップワークを駆使してフィニッシュまで持ち込む姿は、まさに優雅で美しいものだった。
アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)のドリームシェイク、ダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)のワンレッグフェイダウェイジャンパー、トニー・パーカー(元スパーズ)のティアドロップと同様に、ジノビリのステップは数多くの選手たちがレパートリーに加えており、今後もこの功績は永遠にレコードブックへ刻まれることだろう。
9月9、10日にマサチューセッツ州スプリングフィールドで行なわれる殿堂入り式典で、ジノビリをはじめとする殿堂入りメンバーがどんなスピーチを披露してくれるのか。楽しみに待ちたいところだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!
とくにデトロイト・ピストンズと第7戦まで戦った2005年のファイナルで、ジノビリはシリーズ平均18.7点、5.9リバウンド、4.0アシスト、1.3スティールと大暴れ。相手の強固なディフェンスを何度も切り崩し、強烈なインパクトを残したそのパフォーマンスは、ファイナルMVPを獲得したティム・ダンカンでさえ「MVPはジノビリだと思っていた」と漏らすほどだった。
片腕だけで繰り出してしまうクロスオーバーや芸術的なボールフェイク、変幻自在のムーブで相手ディフェンダーを翻弄。シグネチャームーブとも言えるユーロステップ、通称“ジノビリステップ”を駆使して多くのハイライトシーンを生み出した。
「私は自分で何かを作り出したり、何か新たなものを持ち込んだとは見ていない。私はただ、自分にできるやり方でプレーしてきたんだ」と振り返ったジノビリにとって、NBAキャリア序盤はシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)相手に点を取ることをチャレンジとして自らに課していたという。
「シャックを越えてダンクしようとはしなかった。私は自分が持つスキルセットとフィジカル面の能力を駆使して、リムへと達する方法を見つけたんだ」
一般的にNBAへユーロステップを持ち込んだと言われているのは、1990年代にプレーしたサルナス・マーシャローニス(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)。だが、このスキルを浸透させたのがジノビリなのは間違いない。ペイントエリアに複数のディフェンダーがいようと、お構いなしに鋭く素早いステップワークを駆使してフィニッシュまで持ち込む姿は、まさに優雅で美しいものだった。
アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)のドリームシェイク、ダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)のワンレッグフェイダウェイジャンパー、トニー・パーカー(元スパーズ)のティアドロップと同様に、ジノビリのステップは数多くの選手たちがレパートリーに加えており、今後もこの功績は永遠にレコードブックへ刻まれることだろう。
9月9、10日にマサチューセッツ州スプリングフィールドで行なわれる殿堂入り式典で、ジノビリをはじめとする殿堂入りメンバーがどんなスピーチを披露してくれるのか。楽しみに待ちたいところだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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