指揮官の言葉にもあるように、オラディポの活躍を喜んでいる仲間の1人が、ビッグマンのバム・アデバヨだ。
「俺は彼をとても誇りに思っている。彼は本当にいろいろなことをくぐり抜けてきた。頭の中を安定した状態に保つのは、相当大変だったはずだ。彼は見えないところでいつも全力で努力していた。1日に2回も3回も練習していたんだ。そんな彼を見て、俺たちも『頑張れよ』、『チャンスはくる。だからしっかり準備しておけよ』と励まし続けてきたんだ」
アデバヨは、オラディポと同じ、ナイジェリアにルーツを持つ僚友でもある。
「プレーオフでは、誰がケガをして、誰にチャンスが回ってくるかわからない。コーチは誰を送り出すことも恐れないし、彼はいいパフォーマンスを見せていたからね。インディアナ時代の彼を思い出したよ」
大学時代からディフェンス力の高いスコアラーとして評価されていたオラディポは、NCAAの最優秀選手に贈られる『スポーティングニュース・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー』に選ばれたほど将来を嘱望された逸材で、ヤニス・アテトクンボらを輩出した2013年のドラフトでオーランド・マジックから全体2位指名。1年目はオールルーキー1stチームに選出された。
キャリアの全盛期は、アデバヨが触れていたインディアナ・ペイサーズ時代。2017年から3シーズン半在籍し、MIP(最優秀躍進選手賞)受賞やオールスター出場(2018、19年)を果たしている。
しかし前述のように大腿四頭筋を負傷。2度目の手術をした医師は「よくこの状態でNBAでプレーしていたな」と驚いたという。
2019年1月の手術後は1年以上、2回目は約10か月と、3年間で2年近くものブランクを余儀なくされると、昨季は2度のトレード(ペイサーズ→ロケッツ→ヒート)を経験。そして今季は1年間の最低保障契約と、様々な面で試練に立ち向かっている。
しかしキャリアの貴重な時間をケガとの戦いに費やした彼は、その経験から、強い精神力を養ったようだ。
「僕は今を生き、一瞬一瞬を大切にしている。状況をコントロールすることはできないが、物事にどう対応するかをコントロールすることはできる。自分自身でどうにかできないことなんてないんだ。今では、どんなことでも乗り越えられるし、いつでも復活できると感じられるようになった。先発出場を告げられて、僕は今夜、チームの勝利のために全力を尽くした。僕を信じてくれたスタッフやチームメイト、家族、そして神様に感謝するよ」
今回披露したようなプレーを持続する限り、彼は求められる選手であり続けるだろう。次の相手はフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。オラディポは、「これはまだ始まりに過ぎない」と付け加えた。タフガイが集うヒートで再び輝きを放ち、目指すはもちろんNBA制覇だ。
文●小川由紀子
「俺は彼をとても誇りに思っている。彼は本当にいろいろなことをくぐり抜けてきた。頭の中を安定した状態に保つのは、相当大変だったはずだ。彼は見えないところでいつも全力で努力していた。1日に2回も3回も練習していたんだ。そんな彼を見て、俺たちも『頑張れよ』、『チャンスはくる。だからしっかり準備しておけよ』と励まし続けてきたんだ」
アデバヨは、オラディポと同じ、ナイジェリアにルーツを持つ僚友でもある。
「プレーオフでは、誰がケガをして、誰にチャンスが回ってくるかわからない。コーチは誰を送り出すことも恐れないし、彼はいいパフォーマンスを見せていたからね。インディアナ時代の彼を思い出したよ」
大学時代からディフェンス力の高いスコアラーとして評価されていたオラディポは、NCAAの最優秀選手に贈られる『スポーティングニュース・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー』に選ばれたほど将来を嘱望された逸材で、ヤニス・アテトクンボらを輩出した2013年のドラフトでオーランド・マジックから全体2位指名。1年目はオールルーキー1stチームに選出された。
キャリアの全盛期は、アデバヨが触れていたインディアナ・ペイサーズ時代。2017年から3シーズン半在籍し、MIP(最優秀躍進選手賞)受賞やオールスター出場(2018、19年)を果たしている。
しかし前述のように大腿四頭筋を負傷。2度目の手術をした医師は「よくこの状態でNBAでプレーしていたな」と驚いたという。
2019年1月の手術後は1年以上、2回目は約10か月と、3年間で2年近くものブランクを余儀なくされると、昨季は2度のトレード(ペイサーズ→ロケッツ→ヒート)を経験。そして今季は1年間の最低保障契約と、様々な面で試練に立ち向かっている。
しかしキャリアの貴重な時間をケガとの戦いに費やした彼は、その経験から、強い精神力を養ったようだ。
「僕は今を生き、一瞬一瞬を大切にしている。状況をコントロールすることはできないが、物事にどう対応するかをコントロールすることはできる。自分自身でどうにかできないことなんてないんだ。今では、どんなことでも乗り越えられるし、いつでも復活できると感じられるようになった。先発出場を告げられて、僕は今夜、チームの勝利のために全力を尽くした。僕を信じてくれたスタッフやチームメイト、家族、そして神様に感謝するよ」
今回披露したようなプレーを持続する限り、彼は求められる選手であり続けるだろう。次の相手はフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。オラディポは、「これはまだ始まりに過ぎない」と付け加えた。タフガイが集うヒートで再び輝きを放ち、目指すはもちろんNBA制覇だ。
文●小川由紀子
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