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NBA

「NBAは“マフィア”だから」ヨーロッパ人HCが誕生しない理由を、欧州の名将たちが語る<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.08.15

 2014年にマッカビ・テルアビブでユーロリーグに優勝したデイビッド・ブラッドは、翌シーズンにクリーブランド・キャバリアーズのHCに招聘された。しかしイスラエル国籍も持つ彼は、ボストン生まれのアメリカ人だ。

「複数の球団と話をしたが、どこも同じことを言った。『まずはここに来て、しばらくコーチしてみることだ』ってね。なるほど、それはありがたい。しかし同時に、彼らは決まって同じことを言う。『NBAは選手主体のリーグ。これはNBAでは非常に重要なことなんだ』と。『NBAのシステムは、“選手中心 ”。でもヨーロッパではコーチが支配しているから、ここではあなたはチームを管理できないかもしれない』。一言一句彼らの言葉どおりではないが、話のニュアンスからそんな印象を受けた」(アタマン)

 確かにNBAは、欧州のリーグよりも選手の存在感が絶大だ。複数のフランチャイズと話し合いをした結果、ユーロリーグで今季“スリーピート”達成に挑めるポジションにあるアタマンHCの心を動かすようなオファーはなかったという。
 
 ボローニャとCSKAモスクワでユーロリーグ4勝を誇るイタリアの名将エットーレ・メッシーナ(現アルマーニ・ミラノHC)は、サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチの下で5年間アシスタントコーチとして修行。ポポビッチが家庭の事情により不在だった2017-18シーズンのプレーオフ、対ゴールデンステート・ウォリアーズ戦ではヘッドコーチを務めた経験もある。

 しかし彼も、これまでサクラメント・キングスのHC就任の噂が流れるなど面接には呼ばれたことはあっても、採用に至ったことは一度もない。ちなみに先日ユタ・ジャズのHCを辞したクイン・スナイダーは、CSKAでメッシーナのアシスタントだった。

 また、スペイン代表の名物HCセルジオ・スカリオーロも、2018-19シーズンから3年間トロント・ラプターズでニック・ナースのアシスタントを務め、2019年には優勝を経験。スカリオーロはNBAでの体験について「選手のエゴをいかにコントロールするかを学んだことは非常に大きな収穫」だったと、2019年のワールドカップ優勝後に語った。だが、彼も最近のインタビューで、ラプターズ時代を振り返り「ヘッドコーチに昇格することはありえないと思っていた」と話している。
 
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