現在のリーグでは、選手たちの技術力と身体能力の急激な向上によって、特にトップレベルの選手になるとステップワーク、ドリブル、多彩なバリエーションのシュートを駆使してオフェンスを仕掛けてくる。11月26日現在、平均得点のトップがジェームス・ハーデン（ロケッツ）、２位がルカ・ドンチッチ（ダラス・マーベリックス）、３位はアデトクンボ。上位２人はボールを自由自在に操り、テクニックで相手を翻弄するタイプだ。そして４位にブラッドリー・ビール（ワシントン・ウィザーズ）、５位にデイミアン・リラード（ポートランド・トレイルブレイザーズ）とエリートシューターが続く。

「今のＮＢＡのトレンドがまさに反映されている。チームのオフェンスを牽引するオールラウンダー型、シューター型のスコアラーが5人中4人。しかしここで注目すべきはアデトクンボで、彼だけはペイント内でのパワーフィニッシャー型だ。ランキングを10位まで見ても、同じタイプはカール・アンソニー・タウンズ（ミネソタ・ティンバーウルブズ）がいるだけで、ほかの8人はアウトサイドプレーヤーだ」とドレクスラーは分析する。
  　アデトクンボが特別な存在として地位を確立できている理由はダンクだろう。ゴールへアタックし、ディフェンダーがいようともおかまいなしでフィニッシュする。これぞＮＢＡの醍醐味と言えるシーンだ。また、下手にオールラウンドプレーにシフトせず、インサイドにこだわって攻めているのも、観戦するファンを高揚させているはずだ。

　バックスの中心がアデトクンボであることに間違いはない。チームメイトたちからしてもそこは明確だ。クリス・ミドルトン、ブルック・ロペス、エリック・ブレッドソー、ジョージ・ヒル、ウェスリー・マシューズ、アーサン・イリャソワ、カイル・コーバー、ロビン・ロペスら８人のベテランがローテーションのなかで機能し、今季はパット・カナトン、ＤＪ・ウィルソン、ドンテ・ディヴィンチェンゾ、スターリング・ブラウンといった若いプレーヤーも成長を見せている。