「もちろん、何よりもまず、これがビジネスだということはわかっている。これまでのキャリアでずっと同じ場所にいることができて僕はラッキーだ。僕は（トレードを）まだ経験していない。けど個人的に、十中八九経験することになる気がする。できればそうなりたくないけど、それは誰にもわからないことだからね」

　それから１週間足らずで、トレードに巻き込まれたフィニー・スミス。それでも、攻守両面でハードにプレーするスタイルは、ブルックリンのファンからも愛されることだろう。

　ただ、トレードされたことで、彼の家族の生活も一変する。特に12歳の娘について、フィニー・スミスは「僕らは動くかもしれないし、彼女はここ（ダラス）で学校を卒業しなければいけないのかもしれない。彼女にはこれはビジネスなんだと理解させる必要がある。これは彼女がコントロールできることじゃない。それも（トレードされてしまった場合に）起こるひとつのことなんだ」と話していた。
  　シーズン中の移籍だけに、フィニー・スミスと家族はしばらく離れて生活することになるかもしれない。だが、昨年結んだ延長契約によって、2025－26シーズンのプレーヤーオプションを行使すればあと３年間はネッツに在籍予定のため、近々家族もブルックリンに移ることになるだろう。

　NBAでは一部のスーパースターを除き、ほとんどの選手がトレードを経験する。初のトレードとなったフィニー・スミスとその家族には、環境の変化を乗り越えてほしいところだ。

文●秋山裕之（フリーライター）

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