■1位のブルズが指名したのは地元出身の1年生PGローズ
2008年度のドラフトロッタリーは、5月20日にニュージャージー州セコーカスにあるNBAのTVスタジオで行なわれた。抽選の結果、指名順位は1位ブルズ、2位ヒート、3位ウルブズ、4位ソニックス(現サンダー)、5位グリズリーズに確定する。
前年のオーデン&ケビン・デュラントと同様、この年も1位指名候補は2人の選手に絞られていた。メンフィス大1年のPG、デリック・ローズとカンザス州大1年のPF、マイケル・ビーズリーである。
シカゴで最も危険なエリアのひとつ、南部のイングルウッドで生まれ育ったローズは、高校の時点ですでに全米ナンバーPGとの評価を得ていた。メンフィス大の名将、ジョン・カリパリはローズの才能に惚れ込み、名門インディアナ大や地元イリノイ大といった数多のライバル校を押さえてリクルートに成功する。
1年時からチームの中心選手となり、平均14.9点、4.7アシスト、4.5リバウンドをマーク。メンフィス大はシーズンを38勝2敗で終え、その勝利数はいまだNCAAのトップタイ記録となっている(これまで3度記録されており、すべてカリパリが達成)。この年、メンフィス大はNCAAトーナメント決勝まで駒を進め、試合最終盤にローズのフリースローミスが祟り優勝こそ逃したものの、ローズはポテンシャルの高さを全米中に知らしめた。
もう1人のドラ1候補、ビーズリーも存在感では負けてはいなかった。1年生ながらカレッジを代表するオフェンスモンスターとして名を馳せ、平均26.2点(NCAA3位)、12.4リバウンド(同1位)を記録。その数字は、前年に旋風を巻き起こしたデュラントの25.8点、11.1リバウンドを凌駕するものだった。また、28回のダブルダブルは、それまでの1年生記録、カーメロ・アンソニーの22回を大きく上回っている。
6月26日、ニューヨークのマディソンスクエア・ガーデンで開催されたNBAドラフトにおいて、ブルズが1位で指名したのは地元出身のローズだった。フロント陣が2度のミーティングで出席者の意見を確認したところ、どちらの回も満場一致でローズが選択されたという。
マイケル・ジョーダンがブルズを去ってから10年、その間チームは低迷を余儀なくされていた。それでも、2005年から3年連続でプレーオフ進出を果たし、明るい兆しが見え始めていたその矢先、いくら欲してもまず手に入らないフランチャイズプレーヤー候補が、確率1.7%を覆して奇跡的に舞い込んできたのだ。チームやファンにとって、僥倖以外の何物でもなかった。
2008年度のドラフトロッタリーは、5月20日にニュージャージー州セコーカスにあるNBAのTVスタジオで行なわれた。抽選の結果、指名順位は1位ブルズ、2位ヒート、3位ウルブズ、4位ソニックス(現サンダー)、5位グリズリーズに確定する。
前年のオーデン&ケビン・デュラントと同様、この年も1位指名候補は2人の選手に絞られていた。メンフィス大1年のPG、デリック・ローズとカンザス州大1年のPF、マイケル・ビーズリーである。
シカゴで最も危険なエリアのひとつ、南部のイングルウッドで生まれ育ったローズは、高校の時点ですでに全米ナンバーPGとの評価を得ていた。メンフィス大の名将、ジョン・カリパリはローズの才能に惚れ込み、名門インディアナ大や地元イリノイ大といった数多のライバル校を押さえてリクルートに成功する。
1年時からチームの中心選手となり、平均14.9点、4.7アシスト、4.5リバウンドをマーク。メンフィス大はシーズンを38勝2敗で終え、その勝利数はいまだNCAAのトップタイ記録となっている(これまで3度記録されており、すべてカリパリが達成)。この年、メンフィス大はNCAAトーナメント決勝まで駒を進め、試合最終盤にローズのフリースローミスが祟り優勝こそ逃したものの、ローズはポテンシャルの高さを全米中に知らしめた。
もう1人のドラ1候補、ビーズリーも存在感では負けてはいなかった。1年生ながらカレッジを代表するオフェンスモンスターとして名を馳せ、平均26.2点(NCAA3位)、12.4リバウンド(同1位)を記録。その数字は、前年に旋風を巻き起こしたデュラントの25.8点、11.1リバウンドを凌駕するものだった。また、28回のダブルダブルは、それまでの1年生記録、カーメロ・アンソニーの22回を大きく上回っている。
6月26日、ニューヨークのマディソンスクエア・ガーデンで開催されたNBAドラフトにおいて、ブルズが1位で指名したのは地元出身のローズだった。フロント陣が2度のミーティングで出席者の意見を確認したところ、どちらの回も満場一致でローズが選択されたという。
マイケル・ジョーダンがブルズを去ってから10年、その間チームは低迷を余儀なくされていた。それでも、2005年から3年連続でプレーオフ進出を果たし、明るい兆しが見え始めていたその矢先、いくら欲してもまず手に入らないフランチャイズプレーヤー候補が、確率1.7%を覆して奇跡的に舞い込んできたのだ。チームやファンにとって、僥倖以外の何物でもなかった。