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バスケW杯

【バスケW杯】連覇を狙うスペインが代表候補16名を発表!経験豊富なルビオやフェルナンデスのほか、期待の若手アルダマもメンバー入り<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.07.16

 また、彼らに加えて、「影のMVP」的なパフォーマンスを披露したのは、現メンバーで最も代表実績のあるルディ・フェルナンデスだ。

 スペイン代表で、4度のユーロバスケット優勝(2009、11、15、22)、2度のワールドカップ優勝(06、19)を経験し、オリンピックでも、08年の北京大会と12年のロンドン大会では銀メダル、16年のリオ大会では銅メダルを獲得している、まさにラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の生ける伝説。

 38歳となった彼がコートに立つ時間はそれほど多くはないが、その短いプレータイムの中で、勝利をたぐりよせるビッグプレーを決めてみせる。さらに、ともにユーロリーグ優勝を勝ち取ったレアルの相棒リュルも復帰する。昨年は大会直前の怪我で欠場となったリュルにも、ファイナル4の決勝戦でウィニングショットを決めたレアルでの大活躍を継続する働きが期待できそうだ。

 そして、指揮官が「彼がチームに与えてくれるインパクトは熟知している」と全幅の信頼を授けるルビオの復帰も大きなファクターだ。

 21年12月にヒザの十字靱帯断裂の大ケガを負い、今年に入ってようやく戦列に復帰したルビオは、決して全開ではなかったが、彼にとって故郷のような場所であるスペイン代表で大会に挑むことは、最高のリハビリになるはずだ。

 残念なのは、昨年のユーロバスケットで 15.2点、7.6アシストでオールトーナメントチームに選ばれ、スペイン優勝の立役者の1人となったガードのロレンゾ・ブラウンの欠場だ。

 ブラウンは、この大会中に負ったケガが完全に癒えないまま、マッカビ・テルアビブで昨季を戦っていたことをSNSで吐露。マッカビのプレーオフ進出にも貢献したが、しっかり休養してケガを治すことが最優先だという専門家の勧めに従い、苦渋の決断を下した。

「来年のオリンピックでプレーするため、今回は残念ながら見送る」とブラウンはメッセージを投稿している。
 
 Bリーグファンは、アルバルク東京のビッグマン、サイズにも声援を送っていることだろう。昨年のユーロバスケットではそれほど出番が多くなかったが、安定したパフォーマンスで、主力交代時の時間帯をコントロールする働きを見せた。

 そして、何といってもスペイン代表の顔は、11年間で金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル2個をもたらしているスカリオロHCだ。強力なカリスマ性でチームを率いる62歳の猛将の存在が、「彼がいれば自分たちは大丈夫」という、絶対的な自信をチームに与えている。

 スペインはグループリーグでグループG(会場はインドネシアのジャカルタ)に属し、イラン、コートジボワール、ブラジルと対戦する。

 順当にいけばスペインとブラジルが勝ち抜ける可能性が高いが、次の第2ラウンドでは、同じジャカルタを主戦場とするグループHを勝ち抜けた2強が待ち受ける。

 グループHは、NBA王者のジャマール・マレー擁するカナダ、レバノン、ラトビア、昨年のユーロバスケットでも決勝戦で激突した宿敵フランスと強豪揃いだ。

 決勝ラウンドの地であるフィリピンのマニラに到達する前に、試練に立ち向かうことになるが、「勝ち方を知っている」彼らの最大の強みを発揮できれば、ここで姿を消すことはないだろう。

文●小川由紀子

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