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NBA

頼れるエースに大型新人、期待の若手が結集した躍進候補のサンダー。指揮官は欧州MVPのオールドルーキーに「絶大な敬意」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.10.21

 マーク・ダグノーHCは10月2日に行なわれたメディアデーの席でミチッチの役割について聞かれると、「それについては、いずれわかるだろう」と明言は避けたが、「彼について言えるのは、彼が国外で成し遂げたことに私は絶大な敬意を抱いているということだ。もはや彼には選手として証明すべきものは何もない」と答えている。

 プレシーズンの初舞台は、デトロイト・ピストンズに125-128で惜敗した2戦目。この試合ではトップからの3ポイントを含む7得点に、アシストはホルムグレンの3ポイントを引き出した1本を含む3本にとどまったが、続くシャーロット・ホーネッツ戦とミルウォーキー・バックス戦では、それぞれ8本、7本とゲームハイの数字をあげている。とりわけバックス戦ではプレータイム15分でのこの数字は評価に値する。

 NBAと欧州でのプレーとの違いについて、ミチッチはこう語っている。

「プレーのペースはユーロリーグに比べて速い。ペイント内はよりオープンだから、クリエイティブなプレーヤーにとっては、ペネトレイトからアドバンテージを得られる機会は多い。特にボールハンドリングに優れた選手にとってはね。そのスペースを生かせばチャンスを作りやすいとも言える」
 
 ポイントガードには、周りを使うプレーを率先するタイプと、自らが得点頭となるタイプに分かれるが、ミチッチは両方のバランスが取れたタイプだ。さらに欧州では、勝負所でシュートを決めるクラッチプレーヤーとしてその名を轟かせていた。

「ディフェンス面では、NBAではよりアイソレーションを使って1対1でプレーすることが多い。ユーロリーグではディフェンスの3秒ルールもないから、ペイント内は常に密集していて、リムもコンスタントにがっちり守られている」

 3秒ルールなど欧州にはなかったプレースタイルにも順応する必要があるが、「すべてが初めてのことだけれど、チームメイトができるだけ早く学べるように助けてくれているよ」と、29歳のベテランルーキーは語っている。

 その筆頭が、21歳と年は若いが今季で4年目の先輩にして同胞のアレクセイ・ポクシェフスキーだ。「年のわりに成熟している」というポクシェフスキーは、いろいろと有益なアドバイスをくれるそうだ。

 この夏のW杯出場も回避してNBAでの新たな挑戦に備えたミチッチには、ゲーム全体のバランスをコントロールするような成熟したプレーも期待される。

 待望の大型ルーキーに勢いに乗っているエースプレーヤー、成長中の若手にベテランと、多種多様なタレントが入り混じったサンダーの、4年ぶりのプレーオフ出場を目指すシーズンが始まる。

文●小川由紀子
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