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NBA

ジャバー、ドクターJらスター選手が鎬を削った戦国時代、70年代後半はドラッグ蔓延などで人気低迷が深刻に【NBA70年史|1971~80年】

出野哲也

2019.12.27

76年にはABAのチームを吸収。アービング(写真)をはじめ個性あふれるスター選手も続々と登場した。(C)Getty Images

76年にはABAのチームを吸収。アービング(写真)をはじめ個性あふれるスター選手も続々と登場した。(C)Getty Images

 74年は60年代に黄金期を築いたセルティックスが復活。75年はABAからゴールデンステイト・ウォリアーズに戻ってきたリック・バリーが、圧倒的不利を予想されたファイナルでシーズン60勝をあげたワシントン・ブレッツ(現ワシントン・ウィザーズ)を4タテ。ファイナル史上最大の番狂わせを演じた。

 76年のセルティックスは、カンファレンス決勝でクリーブランド・キャバリアーズ、ファイナルではフェニックス・サンズと、いずれも創設から10年以内の新興球団と対決。2勝2敗のタイで迎えたファイナル第5戦はトリプルオーバータイムにもつれ込み、NBA史上最高の試合と呼ばれたが、この大熱戦を制して伝統の力を見せつけた。
 
 76-77シーズン前にはABAが解体され、サンアントニオ・スパーズ、デンバー・ナゲッツ、インディアナ・ペイサーズ、ニューヨーク・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)の4球団がNBAへ合流。同時に“ドクターJ”ことジュリアス・アービング(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、デイビッド・トンプソン(元ナゲッツほか)、ジョージ・ガービン(元スパーズほか)らABAのスーパースターもNBAへ働き場を移した。

 新体制1年目はビル・ウォルトンの活躍により、ポートランド・トレイルブレイザーズがプレーオフ初出場にして初優勝。78年はブレッツ、79年はシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)と、3年連続で異なるチームが初優勝を飾った。

 この時代にはジャバーのほかにも、観客を魅了する個性的な選手が続々と登場した。60年代終盤にデビューしたアール・モンロー(元ブレッツほか)が“ブラック・ジーザス”と呼ばれた天才的なムーブを披露すれば、ピート・マラビッチ(元ニューオリンズ・ジャズ/現ユタ・ジャズほか)は誰にも真似できない独創的なパスやドリブルで対抗。センターでありながら、ロングシュートを武器に3年連続得点王に輝いたボブ・マッカドゥー(元バッファロー・ブレーブス/現ロサンゼルス・クリッパーズほか)と、73年に得点王とアシスト王のダブルタイトルを手にしたネイト・アーチボルド(元カンザスシティ・キングス/現サクラメント・キングスほか)は、それまでのポジションの概念を打ち破った。
 
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