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NBA

絶対王者として君臨したジョーダンとブルズ。さらに伝説の”ドリームチーム”が世界のバスケ事情を一変させる【NBA70年史|1991~2000年】

2019.12.30

94、95年に優勝したオラジュワン(右)に対し、ユーイング(左)は一度も頂点に立てず。(C)Getty Images

94、95年に優勝したオラジュワン(右)に対し、ユーイング(左)は一度も頂点に立てず。(C)Getty Images

 この2人を中心とするフォーミュラが確立すると、同世代のバークレー、パトリック・ユーイング(元ニューヨーク・ニックスほか)、クライド・ドレクスラー(元ブレイザーズほか)といったライバルを次々と粉砕。91-92シーズンの開幕前、マジックがHIV感染を理由に引退するという歴史的事件とも重なり、NBAはジョーダンとブルズが中心の時代へと一気にシフトしていく。

 しかしそのジョーダンが93年10月に引退を発表すると、アキーム・オラジュワン率いるヒューストン・ロケッツが新たに台頭。94、95年と連覇を成し遂げ、王朝を築くかと思われたが、彼らの天下は長くは続かなかった。
 
 95年3月、ジョーダンがブルズに電撃復帰。同年のプレーオフこそ若いオーランド・マジックに屈するも、プライドを懸けて臨んだ95-96シーズンは後世に刻まれる歴史的なシーズンとなった。

 曲者デニス・ロッドマンを加えたこのシーズン、ブルズは当時リーグ史上最高の72勝をあげて強さを誇示。プレーオフに入ってもニックス、前年に煮え湯を飲まされたマジックをスウィープで蹴散らし、ファイナルではシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)を破り王座を奪還した。

 ジョーダンは平均30.4点をマークして得点王を獲得。ピッペンも平均19.4点、6.4リバウンド、5.9アシストとマルチに働き、最強デュオはより迫力を増していった。また、ロン・ハーパー、トニー・クーコッチ、スティーブ・カー、ルーク・ロングリーといった名脇役が揃ったブルズは、まさに“史上最高のチーム”と呼ぶにふさわしかった。何より、ジョーダン、ピッペン、ロッドマンという華やかで個性豊かな“ビッグ3”を中心とする最強軍団のインパクトは大きく、そのカリスマ性と魅力は後世にまで大きな影響を及ぼすことになった。

 以降の2年もブルズが強さを誇示し、2度目の3連覇を達成。この歴史的チームの完成度がゆえに、同世代のライバルだったユーイング、バークレー、カール・マローン(元ユタ・ジャズほか)、ジョン・ストックトン(元ジャズ)らは1度も頂点に立つことができなかった。彼らもリーグにその名を刻む名選手だったが、一般的には“ブルズの引き立て役”というイメージがどうしてもつきまとった。
 
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