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NBA

NBA史上最強のPFダンカン、歴代最高クラスの司令塔ポールを輩出したウェイクフォレスト大は実績以上の存在感を醸し出す【名門カレッジ史】

出野哲也

2020.03.09

州No.1高校生だったポールは、2年時にチームを学校初のAPランキング1位に導くなど前評判通りの活躍を見せた。(C)Getty Images

州No.1高校生だったポールは、2年時にチームを学校初のAPランキング1位に導くなど前評判通りの活躍を見せた。(C)Getty Images

 その期待に応えるように、ダンカンはNCAA史上初の通算2000得点/1500リバウンド/200アシスト/400ブロックの好成績を残す。1997年にはこちらも史上初となるトーナメント通算50ブロックを達成し、ネイスミス賞、ウッデン賞などの個人賞を独占。ただ、彼が在学中の最高成績はベスト8(1996年)にとどまった。

 1997年に卒業したダンカンは、同年のドラフト1位でサンアントニオ・スパーズに指名されてNBA入り。派手さはないが基本に忠実なプレーを武器に、チームを常勝軍団に押し上げた。彼の19年間の現役生活は、そのプレースタイルとは正反対と言っていいほど輝かしいもので、5度の優勝に加えシーズンMVPは2回、ファイナルMVPも3度獲得。30歳以降はセンターを主戦場としたが、史上最高のPFのひとりとしてリーグの歴史に名を刻んだ。

 ダンカンの2学年上だったランドルフ・チルドレスはNBAには2年在籍しただけで、その後はイタリアなどでプレー。2013年から母校のアシスタントコーチを務めていて、2016年に入学した息子のブランドンは、今季はエースとしてチームトップの平均15.5点を記録している。

 ダリアス・ソンガイラ(元サクラメント・キングスほか)やジョシュ・ハワードらを擁した2000年は、もうひとつの全米大会であるNIT選手権で優勝。ハワードはダラス・マーベリックスの主力選手として、ソンガイラはNBAのほか、リトアニアの代表としても活躍した。
 
 ノースカロライナ州最高の高校生選手として名を馳せていたクリス・ポールは、UNCをはじめ複数の強豪校から勧誘を受けていたが、自宅からほど近いウェイクフォレスト大を選択。2年時の2004-05シーズンには、一時は学校史上初となるAPランキング1位の座にチームを導いた。

 しかし肝心のトーナメントでは、2回戦でウエストバージニア大に2度の延長の末惜敗。同年のドラフト4位でニューオリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)に指名され、NBAの世界に足を踏み入れたポールは、プロ入り後も史上最高級の正統派ポイントガードとして活躍。新人王や4度のアシスト王、6度のスティール王など多くの個人賞を獲得したほか、アメリカ代表のメンバーとしても2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪と2大会で金メダルを獲得している。
 
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