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NBA

NBAからの欧州移籍は都落ちなのか?“元ドラフト2位”の逸材がユーロリーグでたどり着いた新境地

小川由紀子

2020.03.10

17年に移籍したキャブズでレブロンとチームメイトに。“キング”の影響は現在の彼の財産だという。(C)Getty Images

17年に移籍したキャブズでレブロンとチームメイトに。“キング”の影響は現在の彼の財産だという。(C)Getty Images

 ウィリアムズにとって、レブロンから受けた影響は絶大だった。彼は今もなおNBAの頂点に君臨する“キング”についてこう語る。

「試合の日は、3、4時間前からスタンバイしているし、毎日の練習でも2、3時間前から準備している。彼が傑出した選手であり続ける理由は、そういう姿勢からも明らかだ。そしてそんな彼を日々間近で見ることで、周りの選手も刺激を受けて磨かれていく。レブロンは雲の上、というくらい高いレベルにいる選手だけれど、彼から受けた影響を財産にしながら、自分はここまでキャリアを築いてくることができた」

 また、欧州行きを迷っていた時、ウィリアムズはキングス時代のチームメイトでフェネルバフチェのOBでもあるジェイソン・トンプソン、フェネルバフチェでユーロリーグ優勝を経験したエペイ・ユドー、ドイツリーグに所属経験のあるPJ・タッカー(ロケッツ)らにアドバイスを求めた。彼らは、「ヨーロッパでの体験を思う存分満喫しろ。そうすれば、自分が欲しいものすべてを手に入れることができる」と、背中を押してくれたという。
 
 そして現在、ウィリアムズは欧州随一の“クラッチプレーヤー”として鳴らしている。バイエルンでプレーした昨季のフェネルバフチェ戦では、1点ビハインドで迎えた第4クォーター残り1分の場面で決死のブロックショットを炸裂。試合をオーバータイムへとつなげて、90-86での勝利に貢献した。

 アリゾナ大時代のNCAAトーナメントでも、試合終了間際に相手のショットをブロックして3回戦進出を決めたドラマティックな経験をしているが、メンターたちに「決定機に仕事ができる選手になれ」と教えられて育ったというその素質が、欧州の場で再び花開いている。

 フェネルバフチェには、2011年のドラフト同期で、チェコ代表のヤン・ヴェセリー(1巡目6位指名)が在籍。さらに、ルーキー時代にウルブズでチームメイトだったウェスリー・ジョンソン(パナシナイコス/ギリシャ)とは敵として対戦が実現するなど、元同僚や懐かしの顔と再会する機会を得たことも、ウィリアムズがヨーロッパで楽しんでいることのひとつだ。
 
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