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NBA

「バスケは夢を実現するためのステップになってくれた」コビーに影響を与え、引退後も世界を闊歩するロニー・トゥリアフの終わらぬ旅

小川由紀子

2020.05.04

フランス代表ではパーカー(中央)、ディーオウ(左)らと共闘。同年代の2人とはオフコートでも交流を続けている。(C)Getty Images

フランス代表ではパーカー(中央)、ディーオウ(左)らと共闘。同年代の2人とはオフコートでも交流を続けている。(C)Getty Images

 トゥリアフはその後、ニューヨーク・ニックス、ワシントン・ウィザーズ、マイアミ・ヒート、ロサンゼルス・クリッパーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズと渡り歩き、ヒートではチャンピオンの栄誉にもあずかった。そしてウルブズに所属していた2014年12月、右臀部を痛めて関節鏡手術を受けると、直後に3チーム間トレードでフィラデルフィア・76ersに移籍し、その後に解雇。回復後はNBAに復帰する道を探っていたが、2016年10月、33歳で現役引退を発表した。

 NBAでキャリアを築いた間には、フランス代表としても数々の国際大会に出場した。ユーロバスケット(欧州選手権)に3回(2003、07、09年)、日本で行なわれた06年世界選手権(現ワールドカップ)や12年のロンドン五輪でも主力としてプレー。残念ながらメダル獲得はならなかったが、パーカーやディーオウらタレントが揃い、自国ファンから爆発的な人気を集めたこの頃のフランス代表チームで、トゥリアフはリバウンダー、そしてムードメーカーとして圧倒的な存在感を発揮した。
 
 INSEP時代からの仲間であるパーカー、ディーオウとの結束はとりわけ固く、現役時代からディーオウと共同出資してパリにスポーツをテーマとするレストランを開業したり、インディーズ映画の製作に携わったりと、公私にわたって交友を続けている。またニコラ・バトゥームも加えた4人で、島でサバイバルゲームをしながらお宝を探す人気のリアリティTVショーに出演するなど、お茶の間でも人気を博している。

 そんな彼の現在の主な活動は、NBAのアンバサダーだ。NBAは現在、アフリカ大陸での競技振興に力を入れている。今回の新型コロナウイルスの影響で開幕が延期になってしまったが、12か国のチームで行なわれるバスケットボールアフリカリーグ(BAL)も今年から開催されるはずだった。

 セネガルにルーツを持つディーオウや、NBAでアフリカ人選手たちと交流してアフリカへの親近感を高めたというトゥリアフは、バスケットボールクリニックを通して、これまで何度も現地を訪れてきた。

「自分は14、5歳と、かなり遅い時期にバスケットボールを始めたが、いいコーチに恵まれたおかげでキャリアを築くことができた。そうした自分の経験を、アフリカの子どもたちとシェアできたら嬉しい」と、精力的に活動している。
 
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