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NBA

自称“ギリシャのマッグレディ”バシリス・スパノーリス。欧州トップ選手がNBAで味わった挫折と苦悩とは

小川由紀子

2020.06.22

 一方でロケッツのヘッドコーチ(HC)を務めるジェフ・ヴァン・ガンディは「ターンオーバーやファウルが多く、シュート率は低い」と、現実的にプレースポットを獲得できるレベルに達していないと指摘。確かにこのシーズンのスパノーリスのフィールドゴール(FG)成功率は31.9%、3ポイント成功率に至っては17.2%と壊滅的に低い。

 しかしスパノーリスにしてみれば“継続的に使われず、たまに数分間出場するだけでは、NBAでいかにプレーすべきかを実戦レベルで習得することは難しい。おまけに自分が得意としているものとは違う役割を任される。これではおのずと数字は出ない”という気持ちだった。

 ヴァン・ガンディHCは、同じくルーキーのスティーブ・ノバックもほとんど起用していなかったため、能力を把握していない新人の扱いには慎重、という面はあったのだろう。ただ客観的に見て、スパノーリスが得意としているペネトレーションは、相手の虚をつく鋭さはあるものの、NBAのスピードには劣る印象があったし、欧州ではお墨付きだったディフェンスの巧さも、よりパワフルな相手とのマッチアップでは心許ない感じもあった。
 
「今使われていないからといって、今後も出番がないわけではない。がっかりすることでやる気をなくし、それが成長を阻むというのはよくあることだから、しばらくは様子を見よう」

 そう前向きな姿勢は見せていたヴァン・ガンディHCには、若いプレーヤーにありがちな“過信”を正したいという思いもあったようで、スパノーリスについても「夏に話をしたときから懸念はしていた」とインタビューで明かしている。

「『バスケットボールはバスケットボールですから』と彼は言ったが、それは間違いだ、と私は反論した。“このリーグは楽勝だ”なんて思ったらとんでもないことになる。そしてそれは、良いペリメーターの選手がいる“そこそこ”上のチームに入団した若いプレーヤーにありがちな浅はかさなのだ」
 

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