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NBA

「火星人、ブサイク、話し好き」多彩な顔で魅了したキャセールという男【NBA名脇役列伝・後編】

出野哲也

2020.08.28

2008年3月にセルティックスへ移籍。かつての同僚、アレンとガーネットと再会し、自身3度目の栄冠を勝ち取った。(C)Getty Images

2008年3月にセルティックスへ移籍。かつての同僚、アレンとガーネットと再会し、自身3度目の栄冠を勝ち取った。(C)Getty Images

 その後、05年からの2年半をロサンゼルス・クリッパーズで過ごし、08年2月にウェーバーを経てセルティックスへ移籍。ここでアレン、ガーネットと再びチームメイトとなり、ラジョン・ロンドのバックアップを着実にこなして3度目の優勝を味わった。

「権威と歴史のあるセルティックスだからな。ここでの優勝は特別だ」

 13年ぶりの栄冠を手にして、いつにも増してその口は滑らかだった。翌08-09シーズンもセルティックスに在籍していたが、1試合もプレーすることなく09年2月にサクラメント・キングスにトレード。直後に解雇されると潔く現役を退き、指導者の道へ進んだ。現在はクリッパーズで、セルティックス時代のHCだったドック・リバースのアシスタントコーチを務めている。
 
 キャセールはスーパースターと呼べるほどの選手ではなかったかもしれない。だが、彼がプレーしてきたチームは必ずと言っていいほど成績が向上した。ロケッツ、ネッツ、バックス、ウルブズ、クリッパーズでのフルシーズン1年目の成績は、平均で10.2勝も増えたのだ。そして多くの場合、彼が去ったあと各チームの成績は下降した。3つのチャンピオンリングが、幸運だけで得られたものではないことは、言うまでもない。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2013年4月号掲載原稿に加筆・修正。

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