そこでFIBAヨーロッパが打った手は、各国のバスケットボール連盟に圧力をかけることだった。「ユーロリーグ側をサポートするのであれば、2017年のユーロバスケットへの出場資格を剥奪する可能性がある」と、スペイン、ギリシャ、ロシア、リトアニア、トルコ、セルビア、スロベニアなど、14の強豪国に通達したのだ。
自国の代表チームが国際トーナメントに出場できないとなれば一大事である。ロシアバスケ連盟会長のアンドレイ・キリレンコ(元ユタ・ジャズほか)をはじめ、各国の連盟はやむなく「ユーロリーグに参戦するクラブは、国内リーグから除籍する」という決断を下したが、スペインのように、自国クラブのユーロリーグ参戦を後押ししたいリーグと、代表にとって不利な状況を避けたい連盟との間に軋轢が生まれた国も少なくなかった。
このやり方だけを見れば、FIBA側はあこぎだと思うかもしれないが、そもそもユーロリーグは彼らが主催していたイベントだ。それを一部のビッグチームが、自分たちにとって理想的なコンペティションを作るべく独立したのが現在の形である。
ただ、絶対的な成功の要素となったのは、このイベントがクラブ側だけに恩恵をもたらしたのではなく、ハイレベルでエキサイティングなゲームが観られるという面で、ファンたちをおおいに魅了した、という点だろう。だから独立後の新生ユーロリーグは、わずか20年でここまでグラマラスなコンペティションに成長できたのだ。
結局、その後の話し合いで落としどころを見つけ、代表チームの国際トーナメント出場資格の剥奪といった事態は免れた。そしてその“落としどころ”のひとつが、ユーロリーグに次ぐカテゴリーという位置付けでの、BCLの設立だった。
ユーロリーグのアンダーカテゴリーにはユーロカップ(旧ULEBカップ)があるが、FIBAヨーロッパはユーロカップ常連クラブに(またまた連盟に圧力をかけて)BCLへの参戦を促した。そのため、一時はレギュラーシーズンに48チームが参加するまで拡大していたユーロカップの規模は、2016-17シーズンには半数以下の20チーム(現在は24チーム)に縮小されることになった。(後編に続く)
文●小川由紀子
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自国の代表チームが国際トーナメントに出場できないとなれば一大事である。ロシアバスケ連盟会長のアンドレイ・キリレンコ(元ユタ・ジャズほか)をはじめ、各国の連盟はやむなく「ユーロリーグに参戦するクラブは、国内リーグから除籍する」という決断を下したが、スペインのように、自国クラブのユーロリーグ参戦を後押ししたいリーグと、代表にとって不利な状況を避けたい連盟との間に軋轢が生まれた国も少なくなかった。
このやり方だけを見れば、FIBA側はあこぎだと思うかもしれないが、そもそもユーロリーグは彼らが主催していたイベントだ。それを一部のビッグチームが、自分たちにとって理想的なコンペティションを作るべく独立したのが現在の形である。
ただ、絶対的な成功の要素となったのは、このイベントがクラブ側だけに恩恵をもたらしたのではなく、ハイレベルでエキサイティングなゲームが観られるという面で、ファンたちをおおいに魅了した、という点だろう。だから独立後の新生ユーロリーグは、わずか20年でここまでグラマラスなコンペティションに成長できたのだ。
結局、その後の話し合いで落としどころを見つけ、代表チームの国際トーナメント出場資格の剥奪といった事態は免れた。そしてその“落としどころ”のひとつが、ユーロリーグに次ぐカテゴリーという位置付けでの、BCLの設立だった。
ユーロリーグのアンダーカテゴリーにはユーロカップ(旧ULEBカップ)があるが、FIBAヨーロッパはユーロカップ常連クラブに(またまた連盟に圧力をかけて)BCLへの参戦を促した。そのため、一時はレギュラーシーズンに48チームが参加するまで拡大していたユーロカップの規模は、2016-17シーズンには半数以下の20チーム(現在は24チーム)に縮小されることになった。(後編に続く)
文●小川由紀子
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