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NBA

“ミラクル・ニックス”の立役者スプリーウェル&ヒューストン。正反対の個性を持った奇跡のコンビ【NBAデュオ列伝|後編】

出野哲也

2020.11.12

 ミネソタではケビン・ガーネットのサポート役としてカンファレンス決勝進出に貢献したものの、良かったのは1年だけ。移籍2年目は契約延長交渉の不調にヘソを曲げて無気力プレーに終始。チームの低迷を招き、自身の評価も落とした。同年限りでウルブズを退団すると、その後どのチームにも所属することなく現役を終えてしまった。

 ヒューストンの現役生活も、意外なほど早く終焉の日を迎えた。03-04シーズンに痛めたヒザが完治せず、04-05シーズンに20試合の出場にとどまると、限界を悟って契約期間を2年残したまま引退を決意した。

「ニューヨーク・ニックスとファンの皆さんに心から感謝します。ニックスでプレーできたことは、私の人生でも最も思い出に残る経験でした。私は永遠にニックスの一員であり、ニューヨーカーなのです」
 
 3ポイント成功数1305本は当時リーグ史上10位、1万1165得点はユーイング、フレイジャー、ウィリス・リードに次いでニックス球団史上4位。故郷ケンタッキー州のスポーツ殿堂入りも果たした。父ウェイドは99年に同じ殿堂に選ばれており、親子二代での栄誉となる。

 真面目で信心深く、チャリティ活動にも熱心だったヒューストン。キレやすく何を考えているかわからない、揮発油のようなスプリーウェル。正反対の個性を持った2人は、それでも対立することなく共存し“ミラクル・ニックス”を演出した。現在のニックスを取り巻く混乱状態を思えば、そのこと自体が奇跡的なことだったのかもしれない。

文●出野哲也

※『ダンクシュート』2007年1月号掲載原稿に加筆・修正。

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