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NBA

【1周忌特別コラム】アンチすら魅了するコビーという男。因縁の相手とも友人関係を築き、そして生まれた“傑作CM”〈DUNKSHOOT〉

大井成義

2021.01.27

 コビーより2年早くNBA入りし、年齢は4歳年上。その2人の間には、少なからぬ因縁がある。1999-00シーズン、ローズが所属するペイサーズは、ABAから合流後初めてファイナルに進出した。相手はシャック&コビーの強力デュオに名将フィル・ジャクソンが新たに加わったレイカーズ。

 第2戦、コビーはジャンプショットを打った後、ガードしていたローズの足に着地してしまい、足首を思いっきり捻ってしまう。後にローズは、「骨折してほしいとは思わなかったが、捻挫して少なくとも3試合はベンチにいてほしかった」と語り、着地地点にわざと足を出したことを認めている。スポーツマンシップにもとる悪質な行為だ。

 また、2006年1月22日のラプターズ戦でコビーが歴代2位となる81点を叩き出した際、ガードしていた選手の1人がローズだった。コビーに意趣返しの気持ちがあってもおかしくはないだろう。
 
 そんな因縁を持つ2人だが、ローズが引退し、メディアで仕事をするようになってから、急速に距離が縮まり、仲良しになったという。コビーは自分にも他人にも厳しい人物で、孤高の存在であり、一見とっつきにくそうであるものの、取材対象者として彼の人間性を知るにつけ、ローズの方から惹かれていったようだ。

 一方が心を開けば、もう一方も開くのが世の常。ローズがテレビに出演中であってもお構いなしに、コビーは頻繁にテキスト(携帯番号に送るショートメッセージ)を送ってきたり、電話をかけてきたりしたという。

 2人の関係性を示す傑作CMがある。『ESPN』の“Jalen vs Everybody“というシリーズからの抜粋で、文章でうまく伝わるかどうか甚だ疑問ではあるが、とりあえずトライしてみよう。

 舞台は混雑しているレストラン。ローズがスマホを見ながら店内を歩いていると、「ジェイレン!」と呼ぶ大きな声。「オー、ノー……」と一瞬天を仰ぐも、気を取り直して、作り笑顔で声の主の方へ歩み寄るローズ。テーブルには満面の笑顔のコビーが1人で座っている。
 
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