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NBA

【1周忌特別コラム】アンチすら魅了するコビーという男。因縁の相手とも友人関係を築き、そして生まれた“傑作CM”〈DUNKSHOOT〉

大井成義

2021.01.27

ローズ:「ヘーイ、コー、元気かい? 引退後の生活はどうよ?」

コビー:「素晴らしいね。物語を書いたり、投資をしたり、順調だよ」

続けて世間話をしているところへ、バーテンダーが現われる。

バーテンダー:「ミスター・ブライアント、何かお飲み物でも?」

コビー:「そうだな、ウォッカ・マティーニをもらおうか」

バーテンダー:「オリーブは何個お入れしますか?」

コビー:「(ローズを凝視しながら真顔で)81個」

突如表情を失い、コビーの顔をじっと見つめるローズ。コビーもローズを真剣な眼差しで見つめ続ける。沈黙したまま、10秒近くにらみ合う2人。

バーテンダー:「(81個って)本当ですか?」

コビー:「(一転して笑顔で)冗談だよ。単に彼をからかっただけさ。彼もわかってるよ。2個でいい」

それでも真顔でコビーを凝視し続けるローズ。

 なんとも可笑しいCMである。もちろんシナリオライターがいるのだろうけど、実際の2人の関係性もこんな感じであり、2人のアイディアが反映されているような気がする。先日ローズが『ESPN』の番組に出演した際、コビーとの思い出についてこう述べていた。
 
「81点取られたことも、NBAファイナルで彼と対戦したことも、CMでディスられたことも、俺はむちゃくちゃ誇りに思っている。とても光栄だよ」

 どうやら、ローズはコビーの魅力にすっかりやられたようだ。コビー・ブライアントという男は、死してなお、僕を含め、人々を魅了していくに違いない。

文●大井成義

【PHOTO】「Mr.レイカーズ」&「Mr.NBA」史上最高のスーパースター、コビー・ブライアント特集!
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