ちなみにリトアニア第5の都市パネヴェジースで開催されたこの試合のチケットは完売。地元紙の報道によれば滅多にないことのようで、ウェンバンヤマの注目度の高さがうかがえる。

　コレHCの「ウェンバンヤマは自分らしくプレーすることで圧倒していた」とコメントを聞いて本人は、「自分自身を、自分の能力を信じることが正しいことを改めて認識させてくれた。厳しい局面になると集中し直して、自分が正しい精神状態を保つためにどうすればいいかを思い返した。その自信だけは、絶対に失うことはない」と手応えを得た様子だった。
  　シニア代表での体験はウェンバンヤマにとって「夢のような出来事だった」という。

「バスケットボールの枠を超えた、信じられないような仲間たちだった。これ以上のものは望めないくらいにね。NBAはまったく新しい世界になるだろうけれど、僕は2023年のワールドカップに出たい」

　来年のワールドカップ本戦にフランス代表に名を連ねるのは、今回のチームとはまったく別の顔ぶれだろうが、その最強チームの中で彼がどう暗躍するのか、今から楽しみで仕方ない。

文●小川由紀子