ファンにとっては満足のいくコンテンツであるユーロリーグも、クラブ側からは資金面、運営面などで苦情が出ているのも実情ではある。
ユーロリーグに限らず、ラグビーなど他の競技でも、どうやって裾野を広げるか、どうやってファン層を拡大するかということが、近年の大きな課題となっている。
世の中にまだ娯楽がそう多くなかった頃からの熱心なサポーター世代が引退時期を迎え、新たな世代がターゲットとなりつつあるなか、英語圏でよく言うところの、“ダイハードファン”、つまりは寝食も忘れて没頭するくらい夢中になってくれるような熱心なファンは、減少の一途を辿っているからだ。
とはいえ、声明文にあるような、歴史を紡いできた忠実なファンを置き去りにするような改革は避けたい。伝統と忠実なファンを守り続けるか、よりライトな層も取り込んでグローバル化していくのか。悩ましいところだろう。
加えて、NBAが今回のヨーロッパ進出に際し、FIBAとの共同事業であることを打ち出したことも事態を難しくしている。FIBAとユーロリーグは対立関係にあるからだ。
そもそもユーロリーグは、元はFIBAが運営する大会だったが、欧州バスケットボールリーグ連合(ULEB)を経て、現在のプライベート団体となっている。そうした大会の権利にまつわる過去の因縁や、代表活動との日程の折り合いなども、両者の亀裂を招いているのだ。
ユーロリーグには新たな投資家が参加するという話も上がっているから、ひとまずは来季以降のライセンスがどうなるかが、NBA ヨーロッパの今後の展開に大きく影響してきそうだ。ユーロリーグのライセンスを持つ欧州の主要チームがNBA ヨーロッパにまったく参戦しないとなれば、新たなクラブの創設といった動きにもつながってくる。
だが、アタマンHC は「それほど多くのチームを作るには、現実的に選手の数が足りない」とも話していた。もちろん、一定以上のレベルを望むならの話だ。
そうした現状を総合的にみて「NBAが別のリーグをヨーロッパに設立するのは、上手くいかないだろうと私は考える」とユーロリーグ3勝を誇るアタマンHCは結んでいるが、NBA側はどのような策を練り上げているのか。今後の動きが注目される。
文●小川由紀子
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ユーロリーグに限らず、ラグビーなど他の競技でも、どうやって裾野を広げるか、どうやってファン層を拡大するかということが、近年の大きな課題となっている。
世の中にまだ娯楽がそう多くなかった頃からの熱心なサポーター世代が引退時期を迎え、新たな世代がターゲットとなりつつあるなか、英語圏でよく言うところの、“ダイハードファン”、つまりは寝食も忘れて没頭するくらい夢中になってくれるような熱心なファンは、減少の一途を辿っているからだ。
とはいえ、声明文にあるような、歴史を紡いできた忠実なファンを置き去りにするような改革は避けたい。伝統と忠実なファンを守り続けるか、よりライトな層も取り込んでグローバル化していくのか。悩ましいところだろう。
加えて、NBAが今回のヨーロッパ進出に際し、FIBAとの共同事業であることを打ち出したことも事態を難しくしている。FIBAとユーロリーグは対立関係にあるからだ。
そもそもユーロリーグは、元はFIBAが運営する大会だったが、欧州バスケットボールリーグ連合(ULEB)を経て、現在のプライベート団体となっている。そうした大会の権利にまつわる過去の因縁や、代表活動との日程の折り合いなども、両者の亀裂を招いているのだ。
ユーロリーグには新たな投資家が参加するという話も上がっているから、ひとまずは来季以降のライセンスがどうなるかが、NBA ヨーロッパの今後の展開に大きく影響してきそうだ。ユーロリーグのライセンスを持つ欧州の主要チームがNBA ヨーロッパにまったく参戦しないとなれば、新たなクラブの創設といった動きにもつながってくる。
だが、アタマンHC は「それほど多くのチームを作るには、現実的に選手の数が足りない」とも話していた。もちろん、一定以上のレベルを望むならの話だ。
そうした現状を総合的にみて「NBAが別のリーグをヨーロッパに設立するのは、上手くいかないだろうと私は考える」とユーロリーグ3勝を誇るアタマンHCは結んでいるが、NBA側はどのような策を練り上げているのか。今後の動きが注目される。
文●小川由紀子
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