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NBA

優秀な人材を多く輩出するも“プレップ・トゥ・プロ”時代を締める打ち上げ花火は不発に【NBAドラフト史|2005年】

大井成義

2020.07.24

 優秀なPGが顔を揃えたこの年、最初に名前を呼ばれたのは3位でジャズに指名されたウィリアムズ。次いで4位のホーネッツがポールを、5位のボブキャッツがフェルトンを指名する。ドラフトの直前、3人は誰が最初に名前を呼ばれるか、ふざけて言い争っていたそうだ。トップ5内に3人連続でPGが指名されたのは史上初めての出来事であり、6位以降は21位のネイト・ロビンソン(ワシントン大3年)まで1人も選ばれていない。

『ニューヨーク・タイムズ』の予想に反し、高校出身選手の最高位は6位でポートランド・トレイルブレイザーズに指名されたマーテル・ウェブスター(シアトル・プレップ高)。10位以内が予想されていたグリーンは大きく順位を落とし、18位でボストン・セルティックスに指名されている。
 
 前年のドラフトでは、1巡目で8人の高校生が指名されたが、この年はわずか3人にとどまった。その中の1人、10位でレイカーズに指名された17歳の7フッター、アンドリュー・バイナム(セントジョセフ高)は、1996年のジャーメイン・オニール(元インディアナ・ペイサーズほか)を抜いて史上最年少でのドラフト指名選手となっている。

 18歳と6日でのNBAデビューも最年少記録であり、2006年に改正されたルールが存続する限り、その記録が破られることはない。今後もずっとバイナムが記録を保持すると思いきや、昨年あたりから雲行きが変わってきた。

 2019年時点の情報によると、リーグは2022年ドラフトからのルール改正を検討しており、年齢制限を19歳から18歳に戻す予定で作業を進めているのだという。すなわち、再び高校から直接NBA入りを可能にする方向で動いているようだ。これまで、高校から直接のNBA入りは“禁止→解禁→禁止”の道をたどってきたわけで、次にまた解禁して「やってみたけどやっぱりダメでした、また禁止にします」などと簡単に撤回するわけにもいかないだろうから、それ相応の覚悟あっての解禁のように思われる。

 その先に待っているのは、若くて活きのいい大量の高校出身選手によるリーグの活性化だろうか。それともカオスだろうか――。

文●大井成義

※『ダンクシュート』2017年11月号掲載原稿に加筆・修正。
 

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