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NBA

“初代ドリームチームの衝撃”から4年。シャックら豪華メンバーが「テロの恐怖」とも戦ったアトランタ【五輪史探訪】<DUNKSHOOT>

出野哲也

2021.06.28

 ドリームチームにとっても伝説のボクサーは偉大な存在であり、全員がアリに歩み寄って祝福の言葉をかけ、記念写真を撮影。今大会のどの試合よりも印象的なシーンであった。

 バルセロナ五輪での“初代ドリームチームの衝撃”からまだ4年。世界各国のバスケットボールのレベルは、まだアメリカに遠く及ばなかった。『ニューヨーク・タイムズ』紙が「オリンピックのバスケットボールは、半分が(アメリカによる)セミナー、もう半分はサーカス。競争は存在しない」と形容したように、アメリカの優位は当分揺るがないと思えた。
 
 だが、クロアチア代表のトニー・クーコッチ(当時ブルズ)は「アメリカと対戦し続けることで、ほかの国のレベルも上がっていく。何回か後のオリンピックでは、どうなっているかわからないよ」とコメント。その予想通り、4年後のシドニー五輪は全勝したとはいえ苦戦続き、そして2004年のアテネ五輪で、アメリカはついに王座から陥落する。クーコッチの予言は、おそらくは彼自身が予想していたよりも、早く現実のものとなるのであった。

文●出野哲也(フリーライター)

※『ダンクシュート』2020年5月号原稿に加筆、修正。

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