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日本代表

「勝つ姿を想像するのは難しい」日本代表戦に向け、米メディアは苦戦予想「韓国よりもはるかに、各ポジションにクオリティーの高い選手を揃えている」

THE DIGEST編集部

2025.09.10

メキシコ代表と0-0で引き分けた日本代表は、現地9日にアメリカ代表と対戦する。写真:金子拓弥(現地特派)

メキシコ代表と0-0で引き分けた日本代表は、現地9日にアメリカ代表と対戦する。写真:金子拓弥(現地特派)

 現地9月9日、サッカー日本代表はアメリカ・オハイオ州コロンバスの「Lower.comフィールド」で地元アメリカ代表と対戦する。6日のメキシコ戦を0-0で引き分けた「サムライブルー」にとって、アメリカとの対戦は2022年9月23日(ドイツ・デュッセルドルフで日本が2-0の勝利)以来4回目。いずれも親善試合だった過去3試合での通算成績は2勝1敗(1993年に3-1、2006年に2-3)と勝ち越している。

 対戦相手のアメリカは、来夏の北中米ワールドカップのホストカントリーでありながら、6日の韓国戦ではソン・フンミンのFKなどによって0-2で敗戦。今年に入って6つ目の黒星を喫するなど、マウリシオ・ポチェティーノ監督率いるチームは、多くの問題を抱えているようだ。

 米大手放送局『NBC』は、「アメリカは直近のFIFAランキング25位以内の国との7試合で1勝も挙げられていない。9月の代表ウィークでは主力選手の一部が起用できないなど、自国での本大会が来夏に迫るなか、理想からほど遠い状況だ」と厳しい現状を指摘。「ランキング17位の日本との対戦で不振の連鎖を断ち切りたいところだが、久保建英、三笘薫、堂安律、板倉滉、鈴木彩艶ら、韓国よりもはるかに、各ポジションにクオリティーの高い選手を揃えている」と綴った。

 また別の記事でも、「今回の日本は、アメリカが対戦する中で最強クラスの相手となる。出場枠が48か国に拡大された2026年W杯において、日本代表への期待はさらに高まっており、より上のラウンド進出のチャンスも広がると見られる。そんな相手との対戦は、アメリカにとってはグループステージで直面するであろう相手のレベルを確認する格好の機会でもある」と、テストマッチの重要性を強調する。

 一方、同じく大手放送局の『CBS』は、「韓国戦は酷い出来に終わった。連係不足、魅力に欠けており、修復不可能な状態の瀬戸際にある。ファンに信じさせるようなパフォーマンスを見せる時期に来ているはずだが、もう長い間それができていない。一方の日本は攻撃のクオリティーが高く、うまく組織化されている。よってアメリカが勝つ姿を想像するのは難しい」と、試合展望を示した。

 同メディアは自国代表チームの視点で、「チームは正しい道を進んでいるというポチェティーノ監督の主張を証明する機会となる」日本戦のチェックポイントに、「ジョシュ・サージェントとフォラリン・バロガンによる9番の座をめぐる争い」「4バックか3バックかの見極め」「新たな選手のチェック」の3つを挙げた。
 
 国外のメディアでは、英国の日刊紙『The Guardian』がこのカードに注目し、「最も盲目的な韓国ファンでさえ、日本がアジアでアメリカにとって最も強い試練を提供する存在であることを否定はしないだろう。サムライブルーには、クリスチャン・プリシックのようにエリートクラブで継続的にプレーしてきた選手はいないが、チームには高いレベルでプレーする才能が揃っており、開催国以外で最初に本大会出場権を獲得したのも日本だった」と伝えている。

 さらに日本については、「2022年カタールW杯のチームを特徴づけた技術的完成度、動き、組織力、そしてボールを持たない時の献身的なハードワークは今も健在だが、変わった点もある。昨季、イングランドの2大タイトルを制した遠藤航と鎌田大地に加え、三笘はプレミアリーグで際立つ存在となり、久保もスペインで輝いている。森保一監督は、完全に欧州組だけで構成されたメンバーを選出することも可能で、実際にそうしてきた」と高く評価する。

 そんな日本のクリアすべき課題として、「4度のアジア王者は、(メキシコ戦で)序盤から高い位置でプレスを仕掛け、W杯共催国に圧力をかけたが、あのような僅差の試合を仕留めきる術を学ぶ必要がある」と決定力不足を挙げ、続けて「上田綺世のようにアジアのチーム相手には得点を重ねている選手もいるが、このフェイエノールトのFWを含めた日本の攻撃陣は、他大陸の強豪を相手に同じことができることを示さなければならない」と指摘した。

 なお、この長年の日本の問題にいついては、「これは日本にとっての“不運”でもある。16試合で53得点3失点という圧倒的な成績で予選を突破したため、全力を出し切る必要がなく、本当にプレッシャーがかかる局面でギアを上げるのが難しくなっているのだ」と、日本の背景を説明している。

 また同紙は、日本を率いる森保監督にも言及。「チームのレベルが上がり、選手たちが欧州でエリート戦術家と仕事をする一方、日本国内の指導者レベルがそれに追いついていない懸念もある。とはいえ現状では、森保監督が欧州で仕事を得られるとは考えられないのも事実。だからこそ、アジア人監督にとって最良の道は、世界の舞台で成功を収め、より名のある指揮官たちを打ち負かすことだ。ポチェティーノはその格好の相手と言えるだろう」と主張した。

構成●THE DIGEST編集部

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