昨季、パリ・サンジェルマンでクラブ史上初のチャンピオンズリーグ(CL)制覇に不動の守護神として貢献したジャンルイジ・ドンナルンマは、その後に同クラブからの退団が決定し、去就が注目されてきた。そして、かねてからの噂通りにマンチェスター・シティに加入した。
2022-23シーズンの欧州王者はパリSGとは対照的に昨季、近年にない不振に喘ぎ、今オフは新シーズンでの巻き返しを図るべく、チームの強化に取り組んできた。そうした中で、CLだけでなく、2021年には自らのPKストップでEURO2020を制するなど、26歳にして十分な実績を積んできたイタリア代表正GKの獲得は、理に適ったものだ。だが、実際には賛否が渦巻く状況となっている。
論争のポイントとなっているのは、ジョゼップ・グアルディオラ監督がこれまでGKにも足元の技術を要求してきたという経緯がある点だ。2016年にマンCへ到来するとイングランド代表正GKジョー・ハートをクラウディオ・ブラーボに入れ替え、このチリ人守護神に見切りを付けると、今度はウィリー・カバジェロ、さらにエデルソンを迎えるなど、「11人目のフィールドプレーヤー」への完成度を徹底して追求してきた。しかし、今夏新たに獲得したのは、パリSGで同様のGK理想像を描くルイス・エンリケ監督によって構想外とされたドンナルンマだったのだ。
英国の日刊紙『The Guardian』は、「ドンナルンマの昨季のスタッツによれば、彼はライバルたちに比べ、チームのビルドアップへの関与が明らかに少なかった。プレミアリーグにおけるアリソンの1試合平均パス数は31.7本だったのに対し、リーグアンでのドンナルンマは23.4本であり、ロングパスの平均もドンナルンマが6本、エデルソンは9.4本だった」とデータを紹介し、彼の足技での貢献の低さを強調している。
その上で、「ハート放出以降、グアルディオラの下でGKに課されてきた『譲れない条件』が、今回の新加入選手によって覆される可能性がある。あるいは、今よりフィジカルで攻撃的な試合に対応しなければならないと語る、革新を恐れぬ指揮官が、アプローチを変えた兆しかもしれない」とも推測する。
マンCの低迷の原因のひとつには守備の脆弱さがあったが、こうした状況では「11人での攻撃」よりも、DF陣の至らなさを奇跡的なセーブを連発してカバーしてくれる絶対的な守護神の方が重要だとも見る向きができる。今でも「ペップのサッカーには合っていない」とされながらも、前線で圧倒的な存在感を発揮して結果を出し続けているアーリング・ハーランドのように、今度はドンナルンマがペップのチームの最後尾で“異彩”を放つようになるかもしれない。
2022-23シーズンの欧州王者はパリSGとは対照的に昨季、近年にない不振に喘ぎ、今オフは新シーズンでの巻き返しを図るべく、チームの強化に取り組んできた。そうした中で、CLだけでなく、2021年には自らのPKストップでEURO2020を制するなど、26歳にして十分な実績を積んできたイタリア代表正GKの獲得は、理に適ったものだ。だが、実際には賛否が渦巻く状況となっている。
論争のポイントとなっているのは、ジョゼップ・グアルディオラ監督がこれまでGKにも足元の技術を要求してきたという経緯がある点だ。2016年にマンCへ到来するとイングランド代表正GKジョー・ハートをクラウディオ・ブラーボに入れ替え、このチリ人守護神に見切りを付けると、今度はウィリー・カバジェロ、さらにエデルソンを迎えるなど、「11人目のフィールドプレーヤー」への完成度を徹底して追求してきた。しかし、今夏新たに獲得したのは、パリSGで同様のGK理想像を描くルイス・エンリケ監督によって構想外とされたドンナルンマだったのだ。
英国の日刊紙『The Guardian』は、「ドンナルンマの昨季のスタッツによれば、彼はライバルたちに比べ、チームのビルドアップへの関与が明らかに少なかった。プレミアリーグにおけるアリソンの1試合平均パス数は31.7本だったのに対し、リーグアンでのドンナルンマは23.4本であり、ロングパスの平均もドンナルンマが6本、エデルソンは9.4本だった」とデータを紹介し、彼の足技での貢献の低さを強調している。
その上で、「ハート放出以降、グアルディオラの下でGKに課されてきた『譲れない条件』が、今回の新加入選手によって覆される可能性がある。あるいは、今よりフィジカルで攻撃的な試合に対応しなければならないと語る、革新を恐れぬ指揮官が、アプローチを変えた兆しかもしれない」とも推測する。
マンCの低迷の原因のひとつには守備の脆弱さがあったが、こうした状況では「11人での攻撃」よりも、DF陣の至らなさを奇跡的なセーブを連発してカバーしてくれる絶対的な守護神の方が重要だとも見る向きができる。今でも「ペップのサッカーには合っていない」とされながらも、前線で圧倒的な存在感を発揮して結果を出し続けているアーリング・ハーランドのように、今度はドンナルンマがペップのチームの最後尾で“異彩”を放つようになるかもしれない。
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