バルセロナのファン(クレ)にとって、今回の一件は溜飲の下がる出来事だった。人気ユーチューバーでバルサウォッチャーのアルベル・ブラジャ氏も「ハンジ・フリック監督は偉大だ。いい加減、誰かが声を上げるべきだった」とツイートしている。
問題となっているのは、バルサのフリック監督が語った次の発言だ。
「とても選手を大切に扱っているとは思えない。ヤマルは違和感を抱えながら、ブルガリア戦では79分、トルコ戦では73分プレーした。練習にも参加できない状態だったにもかかわらず、だ。これは恥ずべき愚行だ」
矛先はもちろん、スペイン代表ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の采配だ。スペイン・サッカー連盟(RFEF)の関係者が「ヤマルの違和感についてバルサから報告はなかった」とコメントしたとされるが、スペイン紙『AS』は、その真逆の内容を報じている。記事によれば、RFEFはヤマルの不調を把握していたようだ。ブルガリア戦後はホテルから外出できなかった日もあり、さらに、トルコ戦に出場するために痛み止めを服用した事実も、バルサは記録しているという。
RFEFは「リスク管理を徹底する」と約束していたが、その言葉は反故にされた――。少なくともバルサ側はそう考えている。結果、ヤマルはラ・リーガ4節のバレンシア戦を欠場し、チャンピオンズリーグ(CL)のニューカッスル戦(日本時間19日4時)も出場が危ぶまれている。
被害はバルサだけにとどまらない。アスレティック・ビルバオのエース、ニコ・ウィリアムスもトルコ戦で左内転筋を負傷した。以前から恥骨や周辺筋肉に違和感があると警告されていたが、9月シリーズの2試合ともにスタメン出場。アスレティックは公には不満を表明していないが、『EL PAIS』紙によれば、内心では強い不満を抱えているという。彼らはCL開幕戦のアーセナル戦を、エース抜きで戦う羽目になった。
バルサファンの脳裏には、過去の苦い記憶がよぎる。クラブが派遣の見送りを要望したにもかかわらず東京五輪に出場させられ、その年に73試合も強行出場させられたペドリは、以後ケガに悩まされ続けた。また、代表戦で前十字靭帯断裂と外側半月板損傷という大ケガを負い、1年近く戦列を離れたガビの例もある。
当時もクラブ側の不満は伝えられていたが、表立った抗議はなかった。しかし、そこを一切ためらわずに声を上げたのがフリック監督で、その姿勢はファンからも支持されている。
ラジオでバルサ戦の実況を務めるアルフレッド・マルティネス氏も「点差が開いた展開で、違和感を抱える選手を無理に起用する意味はどこにあるのか」と苦言を呈した。
一方のデ・ラ・フエンテ監督は「選手の健康が第一だ」と強調する。「コミュニケーションは取れていたし、痛みや治療も把握していた。しかし、一連のプロトコルには改善の余地がある。バルサとRFEFは今後、問題解決に向けて取り組んでいくようだ」と『AS』紙は締めくくっている。
文●下村正幸
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問題となっているのは、バルサのフリック監督が語った次の発言だ。
「とても選手を大切に扱っているとは思えない。ヤマルは違和感を抱えながら、ブルガリア戦では79分、トルコ戦では73分プレーした。練習にも参加できない状態だったにもかかわらず、だ。これは恥ずべき愚行だ」
矛先はもちろん、スペイン代表ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の采配だ。スペイン・サッカー連盟(RFEF)の関係者が「ヤマルの違和感についてバルサから報告はなかった」とコメントしたとされるが、スペイン紙『AS』は、その真逆の内容を報じている。記事によれば、RFEFはヤマルの不調を把握していたようだ。ブルガリア戦後はホテルから外出できなかった日もあり、さらに、トルコ戦に出場するために痛み止めを服用した事実も、バルサは記録しているという。
RFEFは「リスク管理を徹底する」と約束していたが、その言葉は反故にされた――。少なくともバルサ側はそう考えている。結果、ヤマルはラ・リーガ4節のバレンシア戦を欠場し、チャンピオンズリーグ(CL)のニューカッスル戦(日本時間19日4時)も出場が危ぶまれている。
被害はバルサだけにとどまらない。アスレティック・ビルバオのエース、ニコ・ウィリアムスもトルコ戦で左内転筋を負傷した。以前から恥骨や周辺筋肉に違和感があると警告されていたが、9月シリーズの2試合ともにスタメン出場。アスレティックは公には不満を表明していないが、『EL PAIS』紙によれば、内心では強い不満を抱えているという。彼らはCL開幕戦のアーセナル戦を、エース抜きで戦う羽目になった。
バルサファンの脳裏には、過去の苦い記憶がよぎる。クラブが派遣の見送りを要望したにもかかわらず東京五輪に出場させられ、その年に73試合も強行出場させられたペドリは、以後ケガに悩まされ続けた。また、代表戦で前十字靭帯断裂と外側半月板損傷という大ケガを負い、1年近く戦列を離れたガビの例もある。
当時もクラブ側の不満は伝えられていたが、表立った抗議はなかった。しかし、そこを一切ためらわずに声を上げたのがフリック監督で、その姿勢はファンからも支持されている。
ラジオでバルサ戦の実況を務めるアルフレッド・マルティネス氏も「点差が開いた展開で、違和感を抱える選手を無理に起用する意味はどこにあるのか」と苦言を呈した。
一方のデ・ラ・フエンテ監督は「選手の健康が第一だ」と強調する。「コミュニケーションは取れていたし、痛みや治療も把握していた。しかし、一連のプロトコルには改善の余地がある。バルサとRFEFは今後、問題解決に向けて取り組んでいくようだ」と『AS』紙は締めくくっている。
文●下村正幸
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