来年３月に北中米W杯出場を賭けて大陸間プレーオフを戦うボリビアにとって、18日の日本戦は、異なる大陸の、格上の相手に対してどこまでやれるか、その現在地を知るのが最大の目的だった。大手紙『エル・デベール』は、「ボリビアはチームの成長度を測るとともに、プレーオフに弾みをつける試合を目指している」と展望していた。

　とりわけ警戒していたのが日本の攻撃のスピードで、試合前にオスカル・ビジェガス監督は、「日本のハイプレスをコントロールしながら、最後尾からの安全なビルドアップを軸に、ボールポゼッションを意識してゲームを運びたい」と話していた。

　しかし、日本のパフォーマンスはそのボリビアの対策の上を行った。『エル・デベール』の別冊として誕生し、現在は紙媒体からネットメディアへと変貌を遂げて、国内外のスポーツ情報を網羅している『ディエス』は、レビュー記事で次のように試合を振り返っている。

「ボリビアは日本の優位性に苦しんだ。相手のリズムについていけなかった。０－３という結果は現時点における両チームの実力差が見事に可視化されている。ボリビアはいくつか反撃の機会を作ったものの、ホームチームの強度と組織力の前に成す術がなかった。日本は立ち上がりから主導権を握り、わずか４分にタケ・クボのクロスをうまく胸で収めたダイチ・カマダが先制点を決めた。その後もボリビアは守勢を強いられ、特に両サイドからの日本の絶え間ない攻撃に苦しんだ。攻撃面でも、カウンターで活路を見出そうとしたが、アイデアに欠け、驚くべきスピードで守備網を敷く日本によって即時に阻止された。後半、ボリビアはより強い決意でピッチに立ち、前線からプレッシャーをかけ、相手ゴールに迫ろうとしたが、決定的な一撃を放つには至らなかった。一方、日本は安定した守備を支えに、忍耐強くチャンスを待ち、再び攻撃の機会を窺っていた。71分に途中出場のシュウト・マチノの放った一撃がGKギジェルモ・ビスカラの腕の間を抜けてネットを揺らし、78分にケイト・ナカムラがペナルティエリア内でフィニッシュに持ち込み、３－０とした」
  「我々は最後尾からゲームを組み立て、ラインを突破しようと試みた。しかし、ブラジル戦でもそうだったように、日本のプレッシャーは非常に効果的だった」というビジェガス監督の言葉が、ボリビアにとって思うようにいかなかった試合内容を物語っていた。

　ネットメディア「Bolivia.com」もレビュー記事で、「ミドルブロックとローブロックで構える日本の守備は堅固で、ボリビアのボール支配率は30％にも届かなかった。カウンターを仕掛けるか、遠目からシュートを放つしかなかった。対する日本は開始直後からボリビアのビルドアップを異次元の“窒息プレス”でミスを誘い、カマダの早い時間帯のゴールに繋げた。クボ、カマダ、リツ・ドウアンの攻撃トリオがプレスを主導し、敵陣で12度のボール奪取に成功。防戦一方のボリビアは、日本の守備網を攻略する糸口を最後まで見つけられず、ハイプレスに対するビルドアップの構築に課題を残した」と日本の完勝を伝えている。

　ビジェガス監督は試合後、「（最終スコアについて）３失点で済んだのは幸運だった」とも語っている。日本は南米の中堅国相手に強さを示し、ボリビアは来年の大一番に向けて大きな教訓を得た。

文●下村正幸

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