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Jリーグ・国内

デビュー1年でJ2からJ1へ移籍。サクセスストーリーを駆け上がるC大阪・坂元達裕の向上心【独占インタビュー前編】

多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

2020.03.22

J2山形から個人昇格を果たした坂元。ドリブルを武器にレギュラー奪取に燃える。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

J2山形から個人昇格を果たした坂元。ドリブルを武器にレギュラー奪取に燃える。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 昨年は大卒1年目ながらJ2の山形で42試合・7得点と活躍し、今年はJ1のC大阪へとスピード出世を果たした坂元達裕も、エリート街道を歩んできたわけではない。スランプに陥っていた中学時代、チームを引っ張る責任感に押し潰されそうになった大学時代と、挫折を繰り返して逞しく成長し、いつしか逆境を楽しめる強さを手に入れた。そんな雑草魂のドリブラーがJ1の舞台でさらなる飛躍を遂げようとしている。

    ◆    ◆   ◆

 話しぶりはプロ2年目らしく、まだ初々しさを残し、受け答えは謙虚そのもの。一度言葉を交わしただけで、人柄の良さが伝わってくる。一方で、その柔和な表情の裏に、どこか並々ならぬ熱さを感じさせる。コメントの節々に、自らの道を切り開いてやろうという、そんな力強いエネルギーをうかがわせるのだ。

「2、3人に囲まれても崩していく自信はある。サポーターのみなさんをワクワクさせたいです」

 今年のセレッソ大阪の始動会見で、坂元達裕はそう豪語していたが、この新加入のドリブラーは、その言葉に違わぬパフォーマンスを見せている。

 先発出場したプレシーズンマッチの京都戦で切れ味鋭いカットインからゴールを奪うと、ルヴァンカップの松本戦、J1開幕節の大分戦でもスタメンで起用された。
 
 大分戦で最もインパクトを残したのは70分だった。ピッチ中央でボールを受けた坂元は、すかさずスピードを上げ、グングンと相手陣内を突き進んでいく。そして追走してくる相手を振り切ると、強烈なミドルシュートを見舞う。惜しくもボールは枠を外れたものの、最大の武器を存分に見せつけ、スタジアムを沸かせてみせた。

 非凡な打開力を誇る坂元は、すでにチームの大きな戦力となり、今にも右サイドハーフの定位置を掴む勢いだ。飛躍の気配が漂うドリブラーを突き動かすものはなんなのか。その成長の理由に迫った。

■実はずっとキックが苦手で。どうしても得意なドリブルを選んでしまっていた。

――公式戦が延期となってしまいました。どんな心境ですか。[編集部・注/新型コロナウイルスの影響でJリーグの公式戦が開催延期に]

「ルヴァンカップの松本戦、リーグ開幕の大分戦と連勝して良い流れが生まれていたし、僕自身のコンディションも上がっていました。正直、レギュラー定着のために次の試合が重要だと意気込んでいたこのタイミングで、間隔が空くのは少し嫌ですね。まあ、この空いた時間で準備できることはたくさんあるので、そういう意味ではプラスに捉えたいです」
 

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