11月22日(現地時間)、プレミアリーグ第9節が行なわれ、王者リバプールはレスターを3-0で下し、地元アンフィールドでの無敗記録を64に伸ばした。
フィルジル・ファン・ダイクをはじめ、多くの主力選手を負傷で失い、さらにエースのモハメド・サラーが新型コロナウイルスの検査で陽性を示すなど、緊急事態の中で迎えた一戦だったが、ユルゲン・クロップ監督が「問題が大きいほど団結する」と語ったように、リバプールはチームとしての地力の差を見せつけた。
ヘッドによる3つのゴールが生まれたこの戦いで、試合の趨勢を決する2点目を決めたのは、3トップの一角を担ったディオゴ・ジョッタだ。ポルトガル代表アタッカーは41分に自身リーグ4点目を記録。デビュー戦(3節アーセナル戦)からアンフィールドでのリーグ4試合連続ゴールという、史上初の偉業を成し遂げた。
加入からすぐに不可欠な存在となり、早くも勲章を手にしたジョッタについては、多くの現地メディアが高評価。「常にマーカーに脅威を与えた」(地元紙『Liverpool Echo』)、「アンフィールドでセンセーショナルなスタートを切った男は、いつも危険な存在だった」(日刊紙『Daily Mirror』)、「再びアンフィールドのヒーローに」(専門メディア『THIS IS ANFIELD』)などの称賛の言葉が並んだ。
この勢いが止まらない23歳に続いたのは、ロベルト・フィルミーノだ。86分にCKからゴール左隅にヘッド弾を決めたブラジル代表は、これがリーグ2点目。猛威を振るう「フロントスリー」でひとりだけパフォーマンスが冴えないことが、レギュラー懐疑論を生み出すとともに、ジョッタの台頭を許していたが、この試合では復活の兆しを見せた。
メディアも「後半は良く、ジョッタとの連係も向上。試合を終えかけていたが、見事に3点目を決めた」(『Liverpool Echo』)、「クレバーなショートパスの連続」(『Daily Mirror』)、「これまでの悲惨なパフォーマンスは改善され、周囲とうまくリンクしていた。なかなかゴールを奪えずにいたが、ついに目標を達成した」(『THIS IS ANFIELD』)と、好意的な論調が多かった。
このように、サラー不在でも機能し、得点を生み出した3トップだが、その一方で「バックアップ組」の影は薄かった。南野拓実は89分、同じ"境遇"のディボック・オリギとともにピッチに立つも、前線でのプレッシングだけで5分弱のプレーは終了した。
出場時間が少ないため、ほとんどのメディアは彼に言及していないが、『Liverpool Echo』は「Good evening, sir.(こんばんは)」とだけ記す皮肉っぷり。ちなみにオリギに対しては「And you too, dear chap.(あなたもね)」……。一方、『THIS IS ANFIELD』は、オリギに対して「インパクトを生み出す時間はなかった」と綴り、南野には「オリギと同じ!」としている。
南野にとっては、シーズン序盤にはポジション争いのライバルと目されていたジョッタ、フィルミーノとの好対照ぶりが浮き彫りになってしまった一戦。時間とともに、リバプールでの立場は厳しいものとなっているが、彼は代表ウィーク中に「良いプレーをしないと居場所がないという危機感でプレーしているが、今はそれを楽しんでやれている」と、現状について語っている。
一昨季の欧州王者で、現プレミア王者、そして主力をこれだけ欠いても内容の伴った勝利を飾れる"黄金期"の中にあるリバプールだけに、物事は簡単には進まないことを南野は理解している。その中で、時折出場機会を得て、時に強力集団の一翼を担う活躍を見せていることはポジティブに捉えられるし、それが挑戦の原動力となっていることだろう。
今週は25日にチャンピオンズ・リーグ(アタランタ戦)、28日にプレミア10節のブライトン戦が控えており、クロップ監督はローテーションを採用すると見られる。再検査で陰性となったサラーも間もなく復帰すると報じられており、南野の出場を保証するものは何もないが、ピッチに立った18番がいかなるプレーを見せてくれるかが楽しみである。
構成●THE DIGEST編集部
フィルジル・ファン・ダイクをはじめ、多くの主力選手を負傷で失い、さらにエースのモハメド・サラーが新型コロナウイルスの検査で陽性を示すなど、緊急事態の中で迎えた一戦だったが、ユルゲン・クロップ監督が「問題が大きいほど団結する」と語ったように、リバプールはチームとしての地力の差を見せつけた。
ヘッドによる3つのゴールが生まれたこの戦いで、試合の趨勢を決する2点目を決めたのは、3トップの一角を担ったディオゴ・ジョッタだ。ポルトガル代表アタッカーは41分に自身リーグ4点目を記録。デビュー戦(3節アーセナル戦)からアンフィールドでのリーグ4試合連続ゴールという、史上初の偉業を成し遂げた。
加入からすぐに不可欠な存在となり、早くも勲章を手にしたジョッタについては、多くの現地メディアが高評価。「常にマーカーに脅威を与えた」(地元紙『Liverpool Echo』)、「アンフィールドでセンセーショナルなスタートを切った男は、いつも危険な存在だった」(日刊紙『Daily Mirror』)、「再びアンフィールドのヒーローに」(専門メディア『THIS IS ANFIELD』)などの称賛の言葉が並んだ。
この勢いが止まらない23歳に続いたのは、ロベルト・フィルミーノだ。86分にCKからゴール左隅にヘッド弾を決めたブラジル代表は、これがリーグ2点目。猛威を振るう「フロントスリー」でひとりだけパフォーマンスが冴えないことが、レギュラー懐疑論を生み出すとともに、ジョッタの台頭を許していたが、この試合では復活の兆しを見せた。
メディアも「後半は良く、ジョッタとの連係も向上。試合を終えかけていたが、見事に3点目を決めた」(『Liverpool Echo』)、「クレバーなショートパスの連続」(『Daily Mirror』)、「これまでの悲惨なパフォーマンスは改善され、周囲とうまくリンクしていた。なかなかゴールを奪えずにいたが、ついに目標を達成した」(『THIS IS ANFIELD』)と、好意的な論調が多かった。
このように、サラー不在でも機能し、得点を生み出した3トップだが、その一方で「バックアップ組」の影は薄かった。南野拓実は89分、同じ"境遇"のディボック・オリギとともにピッチに立つも、前線でのプレッシングだけで5分弱のプレーは終了した。
出場時間が少ないため、ほとんどのメディアは彼に言及していないが、『Liverpool Echo』は「Good evening, sir.(こんばんは)」とだけ記す皮肉っぷり。ちなみにオリギに対しては「And you too, dear chap.(あなたもね)」……。一方、『THIS IS ANFIELD』は、オリギに対して「インパクトを生み出す時間はなかった」と綴り、南野には「オリギと同じ!」としている。
南野にとっては、シーズン序盤にはポジション争いのライバルと目されていたジョッタ、フィルミーノとの好対照ぶりが浮き彫りになってしまった一戦。時間とともに、リバプールでの立場は厳しいものとなっているが、彼は代表ウィーク中に「良いプレーをしないと居場所がないという危機感でプレーしているが、今はそれを楽しんでやれている」と、現状について語っている。
一昨季の欧州王者で、現プレミア王者、そして主力をこれだけ欠いても内容の伴った勝利を飾れる"黄金期"の中にあるリバプールだけに、物事は簡単には進まないことを南野は理解している。その中で、時折出場機会を得て、時に強力集団の一翼を担う活躍を見せていることはポジティブに捉えられるし、それが挑戦の原動力となっていることだろう。
今週は25日にチャンピオンズ・リーグ(アタランタ戦)、28日にプレミア10節のブライトン戦が控えており、クロップ監督はローテーションを採用すると見られる。再検査で陰性となったサラーも間もなく復帰すると報じられており、南野の出場を保証するものは何もないが、ピッチに立った18番がいかなるプレーを見せてくれるかが楽しみである。
構成●THE DIGEST編集部