日本代表

A代表、五輪代表の強化はコロナ禍でどう進む?カギとなるのは3月と6月、「3世代」の三つ巴戦もありだ

清水英斗

2021.01.12

今冬にヘタフェで移籍した久保。新天地で輝けるか。(C)Getty Images

 昨年は大変な年だった。新型コロナウィルスという災厄に見舞われ、他の社会と同様に、サッカー界も多くの活動が頓挫した。それでもJリーグ、ルヴァンカップ、天皇杯、ACLと、主要大会は辛うじて消化し、この未曾有の1年をどうにか乗り切った感はある。

 しかし、本当に大変なのは今年、2021年だろう。延期されたワールドカップ2次予選、最終予選、東京五輪が間近に控えている。また、昨季を降格なしで行ったJ1もチーム数が20に増え、日程は全38節。4節分の試合が追加される。各カップ戦もあり、過密日程は必至だ。何より、昨年後半からの世界的なコロナ感染増により、それらが予定通りに進む可能性も低い。

 そしてJリーグはもちろんだが、国際活動を基本とする日本代表は、より困難な道になりそう。2021年、果たしてどんな1年になるか。
 
 最初に予定されているのは、3月末の活動だ。A代表はワールドカップ2次予選として、25日にホームでミャンマー戦と、30日にアウェーでモンゴル戦が予定されている。

 コロナ変異種の広まりが危惧される今、そのような国際試合が許されるまで状況が落ち着くかは不透明だが、より難しいのは、五輪代表のほうだろう。国際親善試合を2試合行い、強化を進めるプランを組んでいるが、A代表の公式予選ならまだしも、五輪代表の国際親善試合は、「絶対にやらなければならない」と押す説得材料が弱く、ハードルが高い。たとえ「五輪本番に向けた運営データの収集」という名目があったとしても、緊急事態宣言が再び発令された日本の現況を踏まえれば、3月辺りはまだ厳しいのではないか。

 その場合はBプランが必要になる。例えばだが、五輪代表対U-20日本代表はどうか。昨年末にはJFAの反町康治技術委員長が、「寝耳に大洪水」と表現した出来事があり、2021年に開催予定だったU-20ワールドカップ、U-17ワールドカップの中止が発表された。特にU-20ワールドカップは「世界への登竜門」と表現される重要な大会であり、モチベーションを高める若い選手は多かったはず。行き場を無くした彼らに、再び目標を与えたいところ。「五輪代表入り」、「A代表入り」という、すぐ目の前に設定された目標を。