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「再投資の有力候補はトミヤス」ミランが冨安健洋に再アタック?地元メディアが今夏の獲得を予想

THE DIGEST編集部

2021.03.31

日本代表でも不動の存在となった冨安には、ミランだけでなく複数のクラブが関心を示している。(C)Getty Images

 今季のセリエAも、全行程の残り1/3を残すのみとなった。スクデットやCL出場権をめぐる争いが熱を帯びてくると同時に、今夏の移籍マーケットに向けた動きも活発化してくる時期だ。有望な選手には、常にビッグクラブの熱視線が注がれている。

 ボローニャの日本代表MF、冨安健洋も例外ではない。冨安は今季27試合出場で2得点。2月末から3月にかけてふくらはぎの負傷で3試合欠場した以外は、リーグ戦、カップ戦の全ての試合で先発し、そのほとんどでフル出場。守備に強いこだわりを持つイタリアサッカー界を驚かせた昨季からさらに進化し、攻守に要と言える役割を果たしている。

 ボローニャのワルテル・サバティーニSDも「国内の多くのビッグクラブが欲しがっている」と語る人気銘柄の冨安だが、イタリアメディア『DIRETTA GOAL』は、今夏にACミランが獲得に動く可能性があると伝えている。

 背景には、来季のCL出場が現実味を増してきたことがあるという。ミランは現在、首位インテルと勝点6差、CL出場権獲得ラインとも勝点6差の2位につけている。このまま順調に進めば、13-14シーズン以来の待ちに待ったCL参戦となる。冨安の推定市場価格は1800万ユーロ(約22億5000万円)と決して安くはないが、CL参戦による収入増は、資金的に大きな助けになる。

「素晴らしいロッソネーリ(赤黒の意でミランの愛称)のシーズンのおかげで、クラブはステーファノ・ピオーリ監督が現在使えるスカッドの強化に、その収入を再投資する。有力候補は、シニシャ・ミハイロビッチのボローニャで素晴らしい仕事をしているトミヤスだ」
 
 特にミランが求めているのが、22歳の冨安の伸び代と汎用性だという。冨安は今季右SBを定位置とし、試合によってCBや左SBも問題なくこなしている。

「この日本代表DFは、素晴らしい向上の余地を見せている。中央でもサイドでもプレーできる能力も理由となって、今夏再びロッソネーリの注目の的になるかもしれない」

 今季ミランの右SBは、ダビデ・カラブリアが不動のレギュラーで、マンチェスター・ユナイテッドからレンタル中のディオゴ・ダロトがバックアッパーを務めている。ミランはダロトの完全移籍での獲得に務めているようだが、いまだ進展はなく、カラブリアも右膝の手術明けで4月下旬まで離脱と、陣容は流動的だ。場合によっては、重要な補強ポイントになりうる。

 今回の同メディアの報道はあくまで推測に基づくものだが、昨夏ミランが冨安に接近していたことは周知の事実で、1年越しの獲得は十分ありえるシナリオだ。ワールドクラスへと日進月歩で近づく22歳からは、ますます目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部