今夏の移籍市場でマンチェスター・ユナイテッドに12年ぶりの電撃復帰を果たしたクリスチアーノ・ロナウド。その影響力は計り知れない。
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　現地時間９月11日に行なわれたニューカッスル・ユナイテッドとのプレミアリーグ第４節では、12年124日ぶりの“復帰戦”でいきなり２ゴールをゲット。盟主復権を目指すレッドデビルズの獲得が間違いではなかったと証明してみせた。

　一方で昨季のセリエA得点王を失ったイタリアの老貴婦人（ユベントスの愛称）は、苦戦を余儀なくされている。C・ロナウドが最高のリスタートを切った同日に行なわれたセリエA第３節では、ナポリに逆転負け（１-２）。これで今季通算成績は１分け２敗……。首位から勝点８差の16位に甘んじているのだ。

　14-15シーズンからセリエA5連覇を果たしたマッシミリアーノ・アッレーグリを２年ぶりに再招聘した今季のユーベだが、チーム再建と王座奪還の両方を目指す名門の不安定な出だしに批判的な声は絶えない。

　こうした厳しい現状に、元イタリア代表FWでユーベのレジェンドでもあるアレッサンドロ・デル・ピエロも黙ってはいられなかったようだ。
  　かつてクラブの絶対的な象徴としてサポーターたちに愛された名手は、伊紙『La Gazzetta dello Sport』の取材で、「もっと現実を見るべきなんだ」と訴えている。

「誰もが知る通り、ロナウドは明らかにユーベ残留を望んではいなかった。その一方で、あまりに負担の大きい彼の給料を支払わなくて済むのはクラブにとっても都合が良い話だったはずだ。もちろん、ロナウドはフオリクラッセ（規格外の選手）であり、あの当時は獲得すべき選手だった。むしろクラブの問題は、彼が退団したことよりも、スーパースターを取り囲む間に、チーム全体の成長を図れなかった点だ」

　さらにデル・ピエロは、「ロナウドのパフォーマンスと、ユベントスのパフォーマンスをほぼ切り離して評価されることが多かったが、それは暗に何かが機能していないことを意味していた」とバッサリ。そのうえで、稀代の天才を失ったチームへの時間の必要性を論じた。

「僕はアッレーグリが好きだ。彼には明確なアイデアがあるように見える。しかし、彼でも容易く奇跡は起こせない。それに彼自身が、今のユーベが抱えている問題が指揮官だけによるものではないことを知っているはずだ。やるべき仕事はロッカールーム内やピッチ内で山ほどある」

　はたして、大黒柱を失ったイタリアの超名門は浮上のキッカケを掴めるのか。デル・ピエロが言う通り、智将アッレーグリの手腕がカギを握りそうだ。

構成●THE DIGEST編集部