専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

バルサ監督解任のクーマンに地元紙は「功罪」を指摘。宿敵の指揮官からは労いの言葉も

THE DIGEST編集部

2021.10.30

クーマン監督は苦境のバルサを救えなかった。(C)Getty Images

クーマン監督は苦境のバルサを救えなかった。(C)Getty Images

 現地時間10月27日に行なわれたラ・リーガ第11節のラージョ・バジェカーノ戦に0-1と敗れた後、バルセロナはロナルド・クーマン監督の解任を発表した。

 今季はチャンピオンズ・リーグ(CL)で最初の2試合をいきなり落とし、リーガではグラナダ、カディスら格下相手に連続で引き分けたりもしながら、何とか無敗を保ってきたが、8節でアトレティコ・マドリーに完敗を喫すると、10節の宿敵レアル・マドリーとの「クラシコ」も1-2で敗北。国内外の強豪にはことごとく敗れた末、昇格組バジェカーノ戦での黒星によって、クラシコの後にはジョアン・ラポルタ会長から続投を明言され、擁護されたオランダ人指揮官は、一転してその座を追われることが即決された。

 現役時代は自身のFKでバルサを初の欧州制覇に導いたクーマンは、愛着のある古巣に昨夏、監督として舞い戻ったが、ルイス・スアレスへの短い戦力外通告の電話などで悪イメージが膨らむ中、1年目はリーガ3位でタイトルはコパ・デル・レイのみに止まった。フロントとの関係も良くない状況で巻き返しを図ろうとしていた彼を今夏襲ったのは、大エースのリオネル・メッシ退団という大打撃。公式戦38ゴールを挙げたキャプテンの離脱は、バルサの攻撃力を大きく低下させ、自信や安定感を失わせた。
 
 クラブ史上最も厳しい時期の67試合を率いたクーマンについて、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、ガビら若い才能の登用、前日の国王杯制覇、混乱時のクラブのスポークスマン的役割を担ったこと、パンデミック時のクラブの財政事情への理解を示し続けたことなどを評価しながらも、クラブの4-3-3の哲学に従わなかったこと、選手起用の矛盾、リキ・プッチらへの不可解な冷遇、フロントとの関係の悪さなどを「罪」として挙げた。

 クラシコ終了時に「大変な仕事だが、続けなければダメだ」とクーマンを激励したマドリーのカルロ・アンチェロッティ監督は、宿敵の監督人事を受けて「解任も我々の仕事の一部であり、監督である間は全力を尽くさなければならない」「クーマンは持てる全てを出し尽くしたと信じている」とのコメント。他にもクーマンの置かれた状況に同情を示す声も存在するが、多くはオランダ人指揮官に厳しい目を向けている。昨季はクーマンにとっての頼みの綱でもあったメッシも、監督交代を望んでいたひとりというのも皮肉な話だ……。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号