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海外サッカー

「ダンス経験」を活かしたエレガントな次世代スター! イタリアの新星カストロビッリとは?

中村大晃

2019.11.07

今シーズン開幕戦では、本人も含めて驚いた先発でのセリエAデビュー。そのまま左インサイドハーフのレギュラーに定着している。(C)Getty Images

今シーズン開幕戦では、本人も含めて驚いた先発でのセリエAデビュー。そのまま左インサイドハーフのレギュラーに定着している。(C)Getty Images

 フランク・リベリというワールドクラスの加入は、フィオレンティーナのサポーターを熱狂させた。ただ、彼らの心を掴んでいるのは、36歳になった稀代のドリブラーだけではない。今シーズンがセリエA初挑戦ながらメキメキと頭角を現わしているガエターノ・カストロビッリもそのひとりだ。

 今夏のプレシーズンキャンプでヴィンチェンツォ・モンテッラ監督を魅了し、ナポリとの開幕戦でサプライズ先発したカストロビッリは、セリエAデビュー戦ながら堂々のプレーを披露してアシストも記録。宿敵ユベントスとの大一番(3節)でも、攻守に渡って大きな貢献を果たした。指揮官が「得点力が身に付けばジャンカルロ・アントニョーニの後継者になりうる」と、クラブのレジェンドの名前を出して絶賛したほどだ。

 幼少期にバレエダンサーを目指してクラシックダンス教室に1年ほど通ったカストロビッリは、バーリの大ファンだった祖父の死をキッカケに、サッカーに本格的に〝転向〞。地元クラブに入団すると、すぐにその才能が耳目を集め、バーリのトライアルに招待された。テストではロナウジーニョのユニホームを着ていたが、憧れていたのは同じブラジル人のカカだったという。
 9歳でのバーリ入団後は、往復約180kmの距離にもめげず練習に通った。当時は技巧派のトレクアルティスタ(トップ下)だったため、かつて「バーリの宝石」と謳われたアントニオ・カッサーノの再来と期待されるまで成長。15年5月には18歳でセリエBデビューを果たした。

 翌年3月にはフィオレンティーナの招待選手として参加したヴィアレッジョ・トーナメント(ユース年代の国際大会)で活躍。次第に「次代のマルコ・ヴェッラッティ」と呼ばれるようになり、17年1月には正式にヴィオラの一員となった。

 過去2年に渡るセリエBのクレモネーゼでの武者修行では、公式戦55試合で6得点・8アシストと結果を残した。それでも今夏にフィオレンティーナに復帰した当初、本人は再レンタルを覚悟していた。しかし、「キャンプ2日目でメルカート(移籍市場)から外すと決めた」というモンテッラ監督との出会いが運命を変える。早くも不動のスタメンに定着し、6節ミラン戦ではセリエA初ゴールもマークと、その勢いは止まるところを知らない。

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