10月15日に行なわれたタジキスタン戦のマン・オブ・ザ・マッチは、鮮やかに2ゴールを決めた南野拓実? いや、個人的には右サイドバックで奮闘した酒井宏樹だったと思っている。
完璧なパフォーマンスとは言い難かったが、とはいえ安定感は抜群で攻守両面において確かな存在感を示していた。なにより素晴らしかったのは、あの絶妙なパス。1-0で迎えた55分、右サイドからオーバーラップすると、柴崎岳からの縦パスをダイレクト、しかもグラウンダーで速いボールをゴール前にすかさず送った。これを南野が巧みに合わせてネットを揺らすのだが、タジキスタンの守備陣をパニックに陥れた酒井のクロスは、蹴り出すタイミング、スピード、コース、そのすべてがパーフェクトだった。
自分事で恐縮だが、高校時代、サッカー部でグラウンダーのクロスに合わせてシュートを打つ練習をとことんやらされた時期があった。そこにはどんな狙いがあったのか。当時、監督はトレーニングの意図を次のように説明してくれた。
「浮き球のクロスに合わせる前に、まずはゴロのボール。それを高い確率でゴールの枠内に飛ばせるようになるまで、この練習は続ける」
要するに、基礎も身に付いていないうちから難易度の高いプレーにチャレンジするなということだ。それからしばらく、徹底的にインサイドキックでのクロスやシュートをやった記憶がある。少しでもボールを浮かせてしまう、もしくはクロスやシュートのコースが甘い時は言うまでもなく監督に雷を落とされた。そんな昔の出来事を思い出させてくれた酒井のクロスは、いわば“基本技術の最高傑作”と言ってよかった。
実は、南野の2ゴール目が生まれる10秒前にも、酒井はエリア手前、ゴール正面にいた鎌田大地に「ズバッ」とグラウンダーのクロスを、しかもダイレクトで送っている。これでタジキスタンの守備陣にヒビを入れ、次のクロスで風穴を開ける――。DFながらもゴールに絡む決定的な仕事をやってのけたという点で、やはりこの日の酒井は素晴らしかった。
完璧なパフォーマンスとは言い難かったが、とはいえ安定感は抜群で攻守両面において確かな存在感を示していた。なにより素晴らしかったのは、あの絶妙なパス。1-0で迎えた55分、右サイドからオーバーラップすると、柴崎岳からの縦パスをダイレクト、しかもグラウンダーで速いボールをゴール前にすかさず送った。これを南野が巧みに合わせてネットを揺らすのだが、タジキスタンの守備陣をパニックに陥れた酒井のクロスは、蹴り出すタイミング、スピード、コース、そのすべてがパーフェクトだった。
自分事で恐縮だが、高校時代、サッカー部でグラウンダーのクロスに合わせてシュートを打つ練習をとことんやらされた時期があった。そこにはどんな狙いがあったのか。当時、監督はトレーニングの意図を次のように説明してくれた。
「浮き球のクロスに合わせる前に、まずはゴロのボール。それを高い確率でゴールの枠内に飛ばせるようになるまで、この練習は続ける」
要するに、基礎も身に付いていないうちから難易度の高いプレーにチャレンジするなということだ。それからしばらく、徹底的にインサイドキックでのクロスやシュートをやった記憶がある。少しでもボールを浮かせてしまう、もしくはクロスやシュートのコースが甘い時は言うまでもなく監督に雷を落とされた。そんな昔の出来事を思い出させてくれた酒井のクロスは、いわば“基本技術の最高傑作”と言ってよかった。
実は、南野の2ゴール目が生まれる10秒前にも、酒井はエリア手前、ゴール正面にいた鎌田大地に「ズバッ」とグラウンダーのクロスを、しかもダイレクトで送っている。これでタジキスタンの守備陣にヒビを入れ、次のクロスで風穴を開ける――。DFながらもゴールに絡む決定的な仕事をやってのけたという点で、やはりこの日の酒井は素晴らしかった。