アルゼンチン代表の36年ぶりの優勝によって幕を下ろしたカタール・ワールドカップ(W杯)。大会期間中はドイツ代表とスペイン代表を破る日本代表の快進撃が世間を賑わせた。ゆえにここからサッカー人気が急上昇するのも想像に難くない。
【動画】ギリギリ入ってる!FIFAが公開した「三笘の1ミリ」検証動画をチェック
きっと「サッカーをやりたい!」と願う子どもたちは増えてくるはずで、「うちの子どもにもサッカーをやってほしい!」と夢見る親も増えてくるだろう。だからこそ、そうした“サッカーの入り口”にいる子どもや親に向け、指導者やクラブが正しいメッセージを送れるかどうかが非常に重要になってくる。
親は自分の子どもに夢中になる。それが自然だ。誰だって我が子を必死に応援したいものだ。しかし、それが子どもたちにとっては負担となる危険をはらんでいる事実を知らなければならない。
元ドイツ代表DFで、筆者の指導者仲間でもあるルーカス・シンキビッツが、こう話してくれたことがある。
「親が叫ぶことは子どもたちにとってマイナスでしかない。親は外から見ていて『自分の子どもはやるべきことがわかっていない!』と興奮してしまうのかもしれない。言いたくなってしまう気持ちだってわからないわけではない。
応援はオッケーだよ。それは子どもにとってもうれしいことだから。だけど、『何やっているんだ! そこはこうだろ!』とか、『気にするな。どんどんドリブルで仕掛けていけ!』とか、まったくシュートが打てる状況じゃないのに、『シューート!!!』と叫んだりという声かけはNGだ」
子どもたちは何も理解していないわけではない。彼らには彼らの視野で見えているものがあり、自身の頭で考えているものがある。それは大人が思い描くサッカーのそれとは違うかもしれない。
でもだからこそ子どもたちは今ピッチで試合をし、自分の考えを形にしようとしている。それは、あらゆる局面でどんなプレーをしたらいいかを経験するための重要な工程である。無論、つい言ってしまう親もいるだろう。でもそれで困るのは子どもなのである。
さらに「試合後にね、子どもたちに今日できたこと、できなかったことを普通のトーンで話を聞いたら、普通に彼らは答えられるんだ。わかっているんだよ。もちろんまだまだできないことの方が多いけど、でもちゃんとわかっているんだ」と話すシンキビッツは、こう続けている。
「親にサッカー歴があったりすると、自分の方が詳しいと思っている節がある。そりゃそうだ。子どもたちのサッカー歴と、大人のサッカー歴は全然違うんだからね。そこでマウントを取るのは流石にどうだろう?」
野心的な親は子どもが「すべてをできる」と思っている傾向がある。ゆえに何か壁に当たると、まるですべてがダメであるかのような反応を見せる。でもそれは間違いだ。なんでもできることが必ずしもプラスに働くわけではない。むしろ、自分の性格、特徴を知り、自分の良さの出し方を学び、それをチーム内で活かす術を探していく。その成長の方が大事なのじゃないだろうか。
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きっと「サッカーをやりたい!」と願う子どもたちは増えてくるはずで、「うちの子どもにもサッカーをやってほしい!」と夢見る親も増えてくるだろう。だからこそ、そうした“サッカーの入り口”にいる子どもや親に向け、指導者やクラブが正しいメッセージを送れるかどうかが非常に重要になってくる。
親は自分の子どもに夢中になる。それが自然だ。誰だって我が子を必死に応援したいものだ。しかし、それが子どもたちにとっては負担となる危険をはらんでいる事実を知らなければならない。
元ドイツ代表DFで、筆者の指導者仲間でもあるルーカス・シンキビッツが、こう話してくれたことがある。
「親が叫ぶことは子どもたちにとってマイナスでしかない。親は外から見ていて『自分の子どもはやるべきことがわかっていない!』と興奮してしまうのかもしれない。言いたくなってしまう気持ちだってわからないわけではない。
応援はオッケーだよ。それは子どもにとってもうれしいことだから。だけど、『何やっているんだ! そこはこうだろ!』とか、『気にするな。どんどんドリブルで仕掛けていけ!』とか、まったくシュートが打てる状況じゃないのに、『シューート!!!』と叫んだりという声かけはNGだ」
子どもたちは何も理解していないわけではない。彼らには彼らの視野で見えているものがあり、自身の頭で考えているものがある。それは大人が思い描くサッカーのそれとは違うかもしれない。
でもだからこそ子どもたちは今ピッチで試合をし、自分の考えを形にしようとしている。それは、あらゆる局面でどんなプレーをしたらいいかを経験するための重要な工程である。無論、つい言ってしまう親もいるだろう。でもそれで困るのは子どもなのである。
さらに「試合後にね、子どもたちに今日できたこと、できなかったことを普通のトーンで話を聞いたら、普通に彼らは答えられるんだ。わかっているんだよ。もちろんまだまだできないことの方が多いけど、でもちゃんとわかっているんだ」と話すシンキビッツは、こう続けている。
「親にサッカー歴があったりすると、自分の方が詳しいと思っている節がある。そりゃそうだ。子どもたちのサッカー歴と、大人のサッカー歴は全然違うんだからね。そこでマウントを取るのは流石にどうだろう?」
野心的な親は子どもが「すべてをできる」と思っている傾向がある。ゆえに何か壁に当たると、まるですべてがダメであるかのような反応を見せる。でもそれは間違いだ。なんでもできることが必ずしもプラスに働くわけではない。むしろ、自分の性格、特徴を知り、自分の良さの出し方を学び、それをチーム内で活かす術を探していく。その成長の方が大事なのじゃないだろうか。