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「この10年間で何も学ばなかった」またもやCL早期敗退のパリSGに国内外から酷評&皮肉! スターの去就や監督人事に関する言及も

THE DIGEST編集部

2023.03.10

再三突破を図るメッシだが、チームを救うゴールは奪えず。(C) Getty Images

 現地時間3月8日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)ラウンド・オブ16のセカンドレグで、パリ・サンジェルマンは0-2でバイエルンに敗れ、合計スコア0-3で敗退を喫した。
 

 主導権を握られての0-1でホームゲームを落とし、リターンマッチでの巻き返しを誓ったパリSGだったが、やはり今回もバイエルンにペースを握られ、61分にペナルティーエリア内でマルコ・ヴェッラッティがボールを奪われ、マキシム・シュポ=モティングにフリーでのシュートを許して先制されると、89分には速攻からセルジュ・ニャブリに決められて万事休した。

 昨季に続いての16強止まりに終わった後、フランスのスポーツ紙『L’EQUIPE』は、パリSGが逆転勝利を飾るための切り札として期待されていたリオネル・メッシとキリアン・エムバペの2人に10点満点で「3」という厳しい評価を下し、懸命にゴールを狙うも阻まれ続けた前者には「そのパフォーマンスは小さく、重要な一戦で彼は失望を与えた」、6回のデュエル全てに敗れた後者には「バイエルンからは恐れられていたが、期待通りにチームに勢いをつけることができなかった」と綴っている。

 前述の通り、1失点目の要因となり、2失点目でも悪い形でボールを失ったヴェラッティには、さらに悪い「2」が与えられ、「前半のエネルギー、活力、有効性は失われた」との寸評の他、「成長しておらず、安定して起用するに値しない選手」という極めて厳しい記述。彼については、『Le Parisien』紙も「フィジカル不足と味気ないパフォーマンスは今季の彼の癖である」と酷評した。

 現在のパリSGは多くの怪我人が多く、クリストフ・ガルティエ監督はそれが現在のチームの不調の要因であると試合前日に語っていたが、『L’EQUIPE』紙は、足首の負傷で戦線を離脱しているネイマールに言及し、「彼がいたとしても、チームのバランスは良くならなかっただろう」と指揮官の主張を否定している。

 フランス国外のメディアも、スペインの『MARCA』紙は「新たな失敗。QSI(カタール・スポーツ・インベストメント)が投資した15億9000万ドルはまだ元を取れていない」、ドイツの『BILD』紙は「勝利したバイエルンに100万ユーロの祝儀を!」、英国の『THE Sun』紙は「カタールのオイルマネーは再びCLで栄光を見つけられなかった」、イタリアの『Gazzetta dello Sport』紙は「大惨事」、アルゼンチンの『Clarin』紙は「パリがCLから除外され、メッシの将来が疑問視される」と、皮肉もまじえて金満クラブの敗北を報じた。

 その中で、ドイツの『Suddeutsche Zeitung』は「エムバペの全力疾走も、メッシの天才的な閃きも、何もうまくいかなかった。ミュンヘンでの0-2は、このパリのチームが何も学んでいないことを示している」と指摘。『L’EQUIPE』も「実際は何も変わっていない」と綴り、コラムニストであるヴァンサン・デュリュック氏は「CLノックアウトステージでのパリSGにとって、敗北は"文化"である」と斬り捨てている。
 
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「この10年間で何も学ばなかったのが、今季は教訓を得ると考えるのは難しい」とデュリュック氏