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逝去したベルルスコーニ氏がミランで残した功績の数々! 伊紙は体制下での豪華絢爛な「ベスト11」を選定、マルディーニらは“先見の明”を称賛

THE DIGEST編集部

2023.06.14

6月12日に逝去した元ミラン会長のベルルスコーニ。(C)Getty Images

6月12日に逝去した元ミラン会長のベルルスコーニ。(C)Getty Images

 イタリアの首相を務め、ミランのオーナーとして1980年代後半から長く続いた黄金時代の創成に尽力したシルビオ・ベルルスコーニ氏が6月12日、86歳で逝去した。

 今年4月に呼吸困難を起こしてミラノのサン・ラファエレ病院に緊急搬送され、集中治療室に入った同氏は、慢性骨髄単球性白血病と診断されるも、翌月にはこれに関連する肺感染症の治療を終えるなど、容態は安定していた。しかし今月9日に緊急入院すると、12日朝に容態が悪化して帰らぬ人となった。

 その死を受けて、ミランは「深い悲しみに包まれながら、忘れがたきシルビオ・ベルルスコーニ氏の死を悲しみ、家族、関係者、そして最も大切な友人たちに手を差し伸べ、お悔やみを申し上げたい。明日、我々は新たな野望を夢見、新たな挑戦に臨み、新たな勝利を目指す。それはミランという夢に人生を賭けた我々全員の中にある、善、強さ、そして真実を表わすものだ。ありがとう、会長。いつまでも我々とともに」と声明を発している。

 先日、テクニカルディレクターの座を退いたばかりの、ミランのレジェンドであるパオロ・マルディーニも、自身のSNSで「天才であり、先見の明を有した理想家は我々の元を去ったが、彼はイタリアの歴史を変えてくれた、我々の友人だった。会長が、我々ミラニスタを30年以上も続く夢の中で生きさせてくれたことに感謝します。あなたのような人物が現われることはもうないでしょう」と、感謝の意を表した。
 
 ミラン、モンツァ、また政治活動においてもベルルスコーニ氏の忠実かつ頼れる右腕として君臨したアドリアーノ・ガッリアーニ氏も、現在CEOを務めるモンツァの公式サイトを通して、「胸が張り裂け、言葉を失い、計り知れない痛みを伴いながら、私は友人であり、主であり、43年以上私の人生を変えてくれた人物を悼みます。親愛なる会長、安らかに眠ってください。多くの愛を込めて」とメッセージを贈っている。

 政治、経済、文化とあらゆる面で世界レベルの影響力を誇る人物に対しては、ミランの選手、OB(本田圭佑もSNSで「Thank you for everything ! R.I.P.」と投稿)と、国内外のサッカークラブや統括機関、関係者からも多くの弔意が寄せられただけでなく、経済界、さらには各国の首脳もその死を惜しみ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も「真の友人で優れていた」と追悼した。

 1936年9月29日にミラノで生まれ、ミラノ大学法学部で2つの学位を取得した後、野心の強い起業家として建設業界に身を投じ、ミラノ郊外の宅地開発で財を成したベルルスコーニ氏はその後、メディアの世界に進出し、投資会社「フィンベスト」を立ち上げてテレビ局の買収を重ねていった。テレビ局だけでなく、新聞社や出版社の買収でメディア王の礎を築いていた彼が、ミランの買収を敢行したのが1986年2月だった。
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