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海外サッカー

バルサは12人、べティスは19人、アラベスは15人... 開幕目前のラ・リーガ、新加入組の約40%が登録未完了という深刻な状況に

下村正幸

2023.08.11

ギュンドアンはバルサに残れるのか?(C)Getty Images

ギュンドアンはバルサに残れるのか?(C)Getty Images

 ラ・リーガの開幕を目前(8月12日)に控え、バルセロナの選手登録を巡る問題がクローズアップされている。フランク・ケシエがアル・アハリ(サウジアラビア)に移籍したこともあり、スペイン時間10日午後の時点でわずか12人しか選手登録が完了されておらず、新加入のイルカイ・ギュンドアンに限っては12日までに登録を済まさなければ、移籍そのものが白紙に戻されることになっている。

 もっとも、注目度と深刻度の高さでバルサばかりが大々的にメディアに取り上げられているが、他にも同様の問題を抱えているクラブは少なくない。例えば、”経営優等生”と評判のレアル・ソシエダも、レンタルで獲得したアンドレ・シウバの登録を10日に済ませたばかりだ。『エル・パイス』紙はスペイン時間8日午後の時点で、「ラ・リーガ20クラブの新加入選手のうち約40パーセントが登録未完了だ」と伝えている。

 バルサとともに、昨夏に続いて苦戦しているのがベティスだ。スペイン時間10日午後の時点で完了しているのは19人。イスコ、マルク・バルトラ、エクトル・ベジェリン、マルク・ロカといった新戦力、完全移籍で獲得したアジョセ・ペレスはいずれも登録未完了だ。アラベスの状況も深刻だ。もともとプレーオフを経ての昇格で、チーム作りに着手するのが遅れたこともあるが、同じくスペイン時間10日午後の時点での登録完了者は15人にとどまる。
 
 セビージャも苦戦が伝えられていたが、8日にロイク・バデ、ネマニャ・グデリ(6月に契約を延長)、アドリア・ペドロサ、フェデリコ・ガットーニ、ジブリル・ソウの5選手を一度に登録。タンギ・ニアンズとマルコンが負傷し、CBが駒不足のまま初戦のバレンシア戦に臨むという事態を、ギリギリのところで回避した。

 その際に、モンチの後任として6月にスポーツディレクター(SD)に就任したビクトル・オルタが訴えたのが、市場がクローズする前にコンペティションが始まることの不都合さだ。これは、競技上の正当性という点でもかねてから指摘されていた問題だが、オルタSDが疑問視するのはサラリーキャップからの観点だ。例えばバルサの場合は、先ほどの12人という登録完了者の中にはパリ・サンジェルマンへの移籍が決定的なウスマンヌ・デンベレも含まれている。当然その分のサラリーはカウントされる。

 また、構想外を宣告された選手は、得てして移籍期限ギリギリまで去就を決めないことが多い。「もし開幕前に移籍マーケットがクローズされれば、ラ・リーガが要求する基準を満たすのにここまで頭を捻らせる必要はなくなる」というのがオルタSDの見解だ。
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