■新戦力は限られるが、より攻撃志向が強まる

　デシャン監督が進めるのは、完全な「継続路線」だ。ロシアＷ杯で世界制覇を成し遂げた主力の大半が20代だったため、その彼らに引き続き信頼を置いてチームの熟成を優先。今予選でデビューした新戦力でレギュラークラスまで伸し上がったのは、ＣＢのラングレだけだった。

　ただ、あくまで攻守のバランスを何よりも重視していたＷ杯当時と比較すると、攻撃志向に傾いているのも事実。本来インサイドハーフのマテュイディを重用していた左サイドアタッカーには、コマンが定着しつつあり、ジルー、グリエーズマン、エムバペと４人のアタッカーを同時起用する形が増えている。世界最高レベルの攻撃陣を有効活用しつつ、より「力で押し切って勝つ」姿勢を強めている印象だ。

　陣容は最終ラインから前線まで質と量の両面で充実。怪我がちなロリス、リュカ、ウンティティ、ポグバ、そしてエムバペなどが本大会までにベストコンディションに戻れば、メジャートーナメントの“連覇”は十分に可能だろう。
  ▼EURO2020予選成績
グループＨ １位（８勝１分け１敗／25得点・６失点）
１節・モルドバ戦（◯４－１） 得点者： グリエーズマン、ヴァランヌ、ジルー、エムバペ
２節・アイスランド戦（◯４－０） 得点者：ウンティティ、ジルー、エムバペ、グリエーズマン
３節・トルコ戦（●０－２）
４節・アンドラ戦（◯４－０） 得点者：エムバペ、ベン・ヤーデル、トバン、ズマ
５節・アルバニア戦（◯４－１） 得点者：コマン②、ジルー、イコネ
６節・アンドラ戦（◯３－０） 得点者：コマン、ラングレ、ベン・ヤーデル
７節・アイスランド戦（◯１－０） 得点者：ジルー（ＰＫ）
８節・トルコ戦（△１－１） 得点者：ジルー
９節・モルドバ戦（〇２－１） 得点者：ヴァランヌ、ジルー（ＰＫ）
10節・アルバニア戦（◯２－０） 得点者：トリソ、グリエーズマン

▼2020予選のゴール・ランキング
６ゴール：ジルー
３ゴール：グリエーズマン、コマン、エムバペ
２ゴール：ヴァランヌ、ベン・ヤーデル

▼2020予選のアシスト・ランキング
７アシスト：グリエーズマン
３アシスト：エムバペ
２アシスト：フェキル
１アシスト：ヴァランヌ、パバール、ルマール、マテュイディ、ポグバ