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海外サッカー

78歳で逝去した皇帝ベッケンバウアーに国内外から弔意と感謝、賛辞が続々!「リーガの真の象徴」「攻撃的なDFを創り上げた」

THE DIGEST編集部

2024.01.10

78歳で逝去した皇帝ベッケンバウアー。(C)Getty Images

78歳で逝去した皇帝ベッケンバウアー。(C)Getty Images

 旧西ドイツ代表やバイエルンの中心選手として数々のビッグタイトル獲得に貢献し、母国代表監督やサッカー連盟の要職、バイエルンの会長としてもその優れた手腕を発揮した“皇帝”フランツ・ベッケンバウアーが1月7日、オーストリア・ザルツブルクで逝去した。78歳だった。

 ドイツの通信社『dpa』を通して、彼の遺族が「深い悲しみをもって、夫であり父でもあるフランツが、日曜日に家族に囲まれながら、安らかに眠りの中で息を引き取ったことをお知らせします」との声明を発表している。

 フルネームをフランツ・アントン・ベッケンバウアーという偉大なドイツ・サッカーのアイコンは、第二次世界大戦が終わって間もない1945年9月11日にミュンヘンで生を受け、少年時代から技術的に優れた攻撃選手として頭角を現わし、58年に憧れのクラブだった1860ミュンヘンではなく、当時は人気も実力も劣っていたバイエルンに加入。下部リーグ所属時代の64年にプロデビューを飾ると、翌シーズンには早くも主力としてブンデスリーガ昇格に貢献した。
 
 そこから2年連続でDFBポカールを制し、同時にカップウィナーズ・カップという欧州タイトルも獲得。さらに69年のリーガ初優勝を皮切りに、72年からは3連覇を達成すると、74年からはチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)でも3年連続でビッグイヤーを掲げる栄誉を授かった。

 また西ドイツ代表としては、65年に翌年のイングランド・ワールドカップ出場を決する予選の大一番スウェーデン戦で初キャップを刻み、すぐに中盤の核となって本大会では準優勝に貢献。新たなスターの登場を世界に印象付けた。4年後のメキシコW杯でもエレガントなプレーでチームを牽引し、歴史に残る死闘となった準決勝イタリア戦では、右肩を脱臼しながらも包帯で腕を吊り、ユニホームに空けた穴に親指を入れて固定しながらプレーを続けるなど、ゲルマン魂を体現するプレーで人々に感銘を与えた。

 そして、72年のEUROではそれまでの中盤から最終ラインのリベロにポジションを移行し、今なお歴代最高と呼ばれるスター揃いの強力チームを大陸王者に導くと、その2年後には自国開催のW杯でも決勝でヨハン・クライフのオランダを逆転で破り、「デア・カイザー(皇帝)」は国民の目前で黄金の新トロフィーを天に掲げた。
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