日本代表

【A代表2020年展望】ベネズエラ、韓国に黒星の森保ジャパン。停滞感を打破するカギとなるのは?

サッカーダイジェスト編集部

2019.12.31

11月にはベネズエラに1-4で完敗。先のE-1選手権では韓国に完封負けを喫した。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 11月にはベネズエラに完敗し、先のE-1選手権では韓国に完封負け。船出は順調だった森保ジャパンに今、逆風が吹き始めている。2020年の9月からはカタール・ワールドカップの最終予選が始まるが、現状の停滞感を打破するにはどうすべきなのか――。チームの課題を炙り出しながら、改善点を探った。

■早急な指揮官交代は現時点で考えにくいが…

 停滞――。

 森保ジャパンの現状をひと言で表わすならこの言葉が相応しい。2018年9月に発足したチームは5戦負けなし(4勝1分)と順調な船出を切ったが、準優勝に終わったアジアカップ、グループリーグで敗退したコパ・アメリカを経て、雲行きが徐々に怪しくなってきた。今年11月のキリンチャレンジカップのベネズエラ戦に1-4で完敗すると、先のE -1選手権では韓国に完封負け。ともにベストメンバーで臨めなかったとはいえ、森保一監督の手腕に疑問の声が挙がり始めているのだ。
 
 もっとも逆風が吹き始めているが、すぐに指揮官交代という事態にはならないだろう。現に今年9月からスタートしたカタール・ワールドカップ・アジア2次予選は、内容こそスッキリしないとはいえ、4戦全勝でいまだ無失点と上々の結果を残しており、2020年9月から始まる最終予選へ、この1年半の積み重ねを無下に崩す必要もない。ただし、楽観できない状況ではある。東京五輪で結果を出せず、最終予選の出足で躓けば、日本サッカー協会も重たい腰を上げるはずで、そうした緊急事態にならないためにも、20年3月と6月に戦う2次予選の残り4試合では、結果と内容の両立が求められる。ポイントはチームのベースアップをできるか。そこが森保体制の行く末を占う大きな鍵になる。

「原理原則」。指揮官がよく口にする言葉だが、森保ジャパンは基本的な決まりごとは設定されているものの、特に前線の選手には一定の自由が与えられている。そのため、中島翔哉、堂安律らアタッカー陣がハマった試合は、魅力的なサッカーを展開するが、相手に対策、もしくは奇策を講じられた際に、機能不全に陥ることが少なくないのだ。