現地時間3月12日に行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド・オブ16の第2戦で、アトレティコ・マドリーはPK戦の末に宿敵レアル・マドリーの軍門に降り、敗退を喫している。
【動画】久保建英が股抜きカットインから鮮やかなゴール!
本拠地メトロポリターノでの一戦、アトレティコは試合開始直後の速攻で右からのクロスをコナー・ギャラガーが押し込んで先制し、2戦合計スコアを2-2のタイとする。後半にヴィニシウス・ジュニオールのPK失敗というマドリーの逸機にも助けられ、リードを保ったまま延長戦を経てPK戦に持ち込んだホームチームだったが、11メートルの勝負では2人目のフリアン・アルバレス、4人目のマルコス・ジョレンテが失敗、ルーカス・バスケス以外の4人が成功したマドリーの準々決勝進出を許すこととなった。
ディエゴ・シメオネ監督は、「敗退を受け入れるのは容易なことではないが、チームは全力を尽くし、拍手を受けるに値した。ファンは試合中ずっと応援してくれて、素晴らしい1日だった。残念ながら試合を勝ち抜くことはできなかったが、私は平穏な気持ちで試合を終えることができた」と試合後に語ったが、PK戦でアルバレスがゴールネットを揺らしたものの、VAR検証により「ダブルタッチ」としてゴールの判定を覆されたことについては、黙っていることができなかった。
「(シモン・マルチニアク)主審はフリアンが軸足でボールに触れたと言っていたが、映像を見た限りでは、その際にボールは動いていない。PK戦でVARが導入されるのを見たことがない。(報道陣に対して)もしこの中で、フリアンが2回ボールに触れたのを見た人がいたら手を挙げてほしい」
この件についてマドリードのスポーツ紙『MARCA』は、「アルバレスはゴールを決めて祝福されたかに見えたが、VARによってそれは取り消された。シュートの際に軸足(左足)が滑ってボールに触れ、その後に右足でシュートを放ったためだ。主審は最初、特に違反を指摘しなかったが、第4審判からの指摘を受け、無効とした。PKに関する規則では『キッカーは一度ボールに触れた後、再びボールに触れてはならない』と定められている」と綴っている。
また同メディアは、このプレーがVAR案件となった理由として、「ティボー・クルトワとキリアン・エムバペは、アルバレスのPK成功を取り消すように審判団に最も強く抗議した選手だった。テレビ画像では、アルバレスがボールに2回触れたのかどうかを確認するのはほぼ不可能に思えるが、このマドリーの2選手は、アルゼンチン人選手のダブルタッチの瞬間をいち早く見抜いたようだ」とも伝えた。
「イタリアのテレビ映像では、エムバペに固定カメラが向けられており、アルバレスのシュートの直後、このフランス人FWが第4審判の元に駆け寄って猛抗議する様子が捉えられた。その後にVARが介入し、判定は覆った」とも記した同メディアは、またクルトワの「2回触ったと感じたので、それを審判に伝えた。見極めるのは簡単ではないし、彼らにとっては運が悪かった」とのコメントを紹介している。
アトレティコに同情を示したベルギー人守護神だが、一方で前述のシメオネ監督の不満に対しては対照的な反応。「彼の被害者意識にはウンザリしている。こういうことでいつも泣き言を吐くのは止めてほしい」と、2011年から3シーズンにわたって共闘したかつてのボスに対して厳しい言葉を投げかけ、さらに以下のようにも指摘した。
「審判はスペインでも欧州でも、特定のチームに有利になるようなことはしていない。明確に見て、そう判断して笛を吹いた。審判も人間だし、その上でしっかりテクノロジーで確認した結果だ。開始1分で1-0とリードしていたにもかかわらず、2点目を狙いにいかなかったのは彼らのミスだ」
このように物議を醸し、論争も生み出すことになったワンプレーだが、当のアルバレス本人が、UEFA(欧州サッカー連盟)のテクニカル・オブザーバー・グループから「激しい試合でアトレティコの攻撃の先頭に立ち、背後に走り込んでスペースを作り、必要に応じて守備でもチームを助けた」と賛辞を贈られ、「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」にも選定されたのは何とも皮肉な話である……。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】「ダブルタッチ」の判定でノーゴールとなったアルバレスのPK
【動画】久保建英が股抜きカットインから鮮やかなゴール!
本拠地メトロポリターノでの一戦、アトレティコは試合開始直後の速攻で右からのクロスをコナー・ギャラガーが押し込んで先制し、2戦合計スコアを2-2のタイとする。後半にヴィニシウス・ジュニオールのPK失敗というマドリーの逸機にも助けられ、リードを保ったまま延長戦を経てPK戦に持ち込んだホームチームだったが、11メートルの勝負では2人目のフリアン・アルバレス、4人目のマルコス・ジョレンテが失敗、ルーカス・バスケス以外の4人が成功したマドリーの準々決勝進出を許すこととなった。
ディエゴ・シメオネ監督は、「敗退を受け入れるのは容易なことではないが、チームは全力を尽くし、拍手を受けるに値した。ファンは試合中ずっと応援してくれて、素晴らしい1日だった。残念ながら試合を勝ち抜くことはできなかったが、私は平穏な気持ちで試合を終えることができた」と試合後に語ったが、PK戦でアルバレスがゴールネットを揺らしたものの、VAR検証により「ダブルタッチ」としてゴールの判定を覆されたことについては、黙っていることができなかった。
「(シモン・マルチニアク)主審はフリアンが軸足でボールに触れたと言っていたが、映像を見た限りでは、その際にボールは動いていない。PK戦でVARが導入されるのを見たことがない。(報道陣に対して)もしこの中で、フリアンが2回ボールに触れたのを見た人がいたら手を挙げてほしい」
この件についてマドリードのスポーツ紙『MARCA』は、「アルバレスはゴールを決めて祝福されたかに見えたが、VARによってそれは取り消された。シュートの際に軸足(左足)が滑ってボールに触れ、その後に右足でシュートを放ったためだ。主審は最初、特に違反を指摘しなかったが、第4審判からの指摘を受け、無効とした。PKに関する規則では『キッカーは一度ボールに触れた後、再びボールに触れてはならない』と定められている」と綴っている。
また同メディアは、このプレーがVAR案件となった理由として、「ティボー・クルトワとキリアン・エムバペは、アルバレスのPK成功を取り消すように審判団に最も強く抗議した選手だった。テレビ画像では、アルバレスがボールに2回触れたのかどうかを確認するのはほぼ不可能に思えるが、このマドリーの2選手は、アルゼンチン人選手のダブルタッチの瞬間をいち早く見抜いたようだ」とも伝えた。
「イタリアのテレビ映像では、エムバペに固定カメラが向けられており、アルバレスのシュートの直後、このフランス人FWが第4審判の元に駆け寄って猛抗議する様子が捉えられた。その後にVARが介入し、判定は覆った」とも記した同メディアは、またクルトワの「2回触ったと感じたので、それを審判に伝えた。見極めるのは簡単ではないし、彼らにとっては運が悪かった」とのコメントを紹介している。
アトレティコに同情を示したベルギー人守護神だが、一方で前述のシメオネ監督の不満に対しては対照的な反応。「彼の被害者意識にはウンザリしている。こういうことでいつも泣き言を吐くのは止めてほしい」と、2011年から3シーズンにわたって共闘したかつてのボスに対して厳しい言葉を投げかけ、さらに以下のようにも指摘した。
「審判はスペインでも欧州でも、特定のチームに有利になるようなことはしていない。明確に見て、そう判断して笛を吹いた。審判も人間だし、その上でしっかりテクノロジーで確認した結果だ。開始1分で1-0とリードしていたにもかかわらず、2点目を狙いにいかなかったのは彼らのミスだ」
このように物議を醸し、論争も生み出すことになったワンプレーだが、当のアルバレス本人が、UEFA(欧州サッカー連盟)のテクニカル・オブザーバー・グループから「激しい試合でアトレティコの攻撃の先頭に立ち、背後に走り込んでスペースを作り、必要に応じて守備でもチームを助けた」と賛辞を贈られ、「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」にも選定されたのは何とも皮肉な話である……。
構成●THE DIGEST編集部
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