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「世界で最も象徴的」マンUの新スタジアム建設にクラブ、ファン、近隣住民も期待! 一方で懸念される「資金繰り」への“秘策”は!?

THE DIGEST編集部

2025.03.15

マンチェスター・ユナイテッドのホーム、オールド・トラフォードの外観。(C) Getty Images

 イングランド・プレミアリーグの名門、マンチェスター・ユナイテッドは3月11日、英国ではウェンブリーを抜いて最多となる10万人を収容の新スタジアム建設計画を発表した。

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 老朽化が叫ばれて久しい現ホームスタジアム「オールド・トラフォード」周辺の大規模な再開発の一環として、新たなに生まれ変わるという「シアター・オブ・ドリームス」。このプロジェクトで設計を担当する「フォスター・アンド・パートナーズ」によれば、新しいスタジアムには「トラファルガー広場の2倍の広さ」の新しい公共広場と、傘のようなデザインが採用される。「トライデント(三叉槍)」と呼ばれる3本のマストの高さは200メートルに達し、25マイル(約40キロ)先からでも見えるようになるという。
 
 クラブの共同オーナーであるジム・ラトクリフ卿は、「今日は、世界最高のスタジアムの完成に向けた、信じられないほどエキサイティングな旅の始まりだ。おそらくは、世界で最も象徴的なサッカースタジアムが完成するだろう」と、新たなプロジェクトへの期待と喜びを示している。

「エッフェル塔がまさに良い例だ。世界中の誰もがエッフェル塔を知っている。それで、彼らはパリに足を運び、パリに滞在し、お金を使う。そして世界には、マンチェスター・ユナイテッドを応援する人が10億人いる。サッカーに興味のある世界中の人なら、誰でもオールド・トラフォードを訪れたいと思うだろう」

 また、クラブの黄金時代を創成した偉大な元監督であるサー・アレックス・ファーガソンも、「オールド・トラフォードは私にとって個人的に多くの思い出があるが、我々は勇気を出してこの機会を捉え、未来に相応しい新しいホームスタジアムを建設しなければならない」と、歓迎の意を表した。

 1910年に完成し、以降はマンUの栄枯盛衰・悲喜こもごもを見守ってきたオールド・トラフォードは、改修と増設を繰り返してきたが、それゆえに継ぎ接ぎだらけの建造物は、近隣の住民からすれば景観が悪く、日刊紙『The Guardian』は彼らの「80年代の工場のようで見栄えが良くない。そして換気システムも古いことで、稼働時にはスタジアムの周囲が騒音で満たされる」とのコメントを紹介した。

 同メディアが「まるでサーカスのテントのようだ」と表現するスタジアムへの新装に伴い、その周辺には1万7000戸もの住宅も建設されるなど、この再開発によって9万2000人の新規雇用の他、年間180万人の観光客が見込め、それによって経済効果も年間73億ポンド(約1兆4000億円)に達すると予測されている。

 こうした点に対して「圧倒的多数の地元住民が賛同している」(同メディア)というプロジェクトだが、クラブのサポーター組織「マンチェスター・ユナイテッド・サポーターズ・トラスト(MUST)」は、「投資は大いに必要であり、歓迎すべきものだが、ファンはそれが何を意味するのか、そしてその結果がどうなるのかについて依然として不安を抱いている。チケット価格が高騰し、地元ファンを追い出すことになるのか?」と不安を隠さない。
 
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スタジアム建設が財政を圧迫する可能性を回避するために「検討しているのは…」