現地時間3月30日に行なわれたセリエA第30節で、ミランはナポリに1-2で敗れ、来季の欧州カップ戦出場は非常に厳しくなった。
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9位に沈む名門は敵地での一戦、開始2分に縦パスで抜け出したマッテオ・ポリターノを止められずにあっさり先制ゴールを許すと、19分にはペナルティーエリア内でフリーとなったロメル・ルカクにラストパスを通されて再び失点。反撃に転じ、69分にはPKを獲得したものの、サンティアゴ・ヒメネスが失敗し、84分にルカ・ヨビッチが1点を返すのが精一杯だった。
「CL出場の夢は消滅」と報じたイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、追い上げのチャンスを逸したヒメネスのPK失敗に注目し、「ミランが再びPKで大失態。残り21分というこの時点で決めていれば、試合の流れが変わり、逆転の可能性もあったかもしれない」と指摘し、「今季のミランにとって、PKはまさに悪夢だ。チームの機能不全を象徴する事象である」とも綴っている。
これを本来のキッカーであるクリスティアン・プリシックがヒメネスにキッカーを託したことについて、セルジオ・コンセイソン監督は「チームには3人のPKキッカーがいる。最終的に誰が蹴るかは、彼らが決めることだ。プリシッチは、しばらくゴールがなかったチームメイトに自信をつけさせようとしたのだろう。これはチームの結束を示すものだ」と理解を示したが、「PKの譲り合いが示すのは、チームの結束なのか、あるいは単なる迷走なのか……」(同メディア)。
今季のミランは、フィオレンティーナ戦(テオ・エルナンデズ、タミー・エイブラハム)、トリノ戦(プリシック)、そして今回のナポリ戦と、計4回もこの11メートルの勝負に敗れており、これほど多くの失敗を犯したのは、他にはドイツのフライブルクぐらいであるという。
こうして今季9敗目を喫した「ロッソネーリ」は、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内である4位(ボローニャ)からは勝点差9も離され、ヨーロッパリーグ(EL)出場圏の5位(ユベントス)やカンファレンスリーグ出場圏の6位(ローマ)との差もそれぞれ8、5。残り試合はまだ8つあるとはいえ、不安定な今季のミランがこの差を詰めていけるかどうかは極めて疑わしいと言わざるを得ない。
アタランタを除けば、上位勢が軒並み勝利を飾った今節に無残な敗北を喫したのも、今季を象徴する事象だと言えるかもしれないが、同メディアはこのような結果に陥った原因として「個人のミスと集中力の欠如」「守備の不安定さ」「リーダーシップの欠如」「戦術面での問題」の4つを挙げ、いっこうに改善されないこれらの問題は「もはやチームのDNAに刻み込まれているようだ」と綴った。
このように、ほぼ目標を失ったセリエAとは対照的に、彼らが絶対に勝たなければならないのがコッパ・イタリアだ。これを制すれば、来季のEL出場権を得られるからであり、ミランにとっては現時点で欧州に辿り着ける唯一の道だとも言えるかもしれない。もっとも、4月2日と23日に対戦する相手は宿敵インテルであり、同メディアが言うように「明らかに不利」だ。
ただ、同メディアは「ファンの間では今、とにかく、何が何でも欧州カップ戦に出場するべきなのか、あるいは、来季は国内リーグに集中し、余計な負担を減らしてチームを立て直すべきなのか、意見が分かれている」とも伝えているが、このこともミランの深刻な現状を表わしていると言えよう。
2022-23シーズンにはCL準決勝という大舞台で「ダービー」を実現したミラノの両雄だが、宿敵が今なお強さを維持し、セリエAでは首位に立ち、欧州の舞台でも上位進出が予想されている一方で、あまりに寂しい状況に身を置いてしまっているミラン。スーペルコッパ(3-2で優勝)の再現で、復興の足掛かりを掴むことができるか。
構成●THE DIGEST編集部
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9位に沈む名門は敵地での一戦、開始2分に縦パスで抜け出したマッテオ・ポリターノを止められずにあっさり先制ゴールを許すと、19分にはペナルティーエリア内でフリーとなったロメル・ルカクにラストパスを通されて再び失点。反撃に転じ、69分にはPKを獲得したものの、サンティアゴ・ヒメネスが失敗し、84分にルカ・ヨビッチが1点を返すのが精一杯だった。
「CL出場の夢は消滅」と報じたイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、追い上げのチャンスを逸したヒメネスのPK失敗に注目し、「ミランが再びPKで大失態。残り21分というこの時点で決めていれば、試合の流れが変わり、逆転の可能性もあったかもしれない」と指摘し、「今季のミランにとって、PKはまさに悪夢だ。チームの機能不全を象徴する事象である」とも綴っている。
これを本来のキッカーであるクリスティアン・プリシックがヒメネスにキッカーを託したことについて、セルジオ・コンセイソン監督は「チームには3人のPKキッカーがいる。最終的に誰が蹴るかは、彼らが決めることだ。プリシッチは、しばらくゴールがなかったチームメイトに自信をつけさせようとしたのだろう。これはチームの結束を示すものだ」と理解を示したが、「PKの譲り合いが示すのは、チームの結束なのか、あるいは単なる迷走なのか……」(同メディア)。
今季のミランは、フィオレンティーナ戦(テオ・エルナンデズ、タミー・エイブラハム)、トリノ戦(プリシック)、そして今回のナポリ戦と、計4回もこの11メートルの勝負に敗れており、これほど多くの失敗を犯したのは、他にはドイツのフライブルクぐらいであるという。
こうして今季9敗目を喫した「ロッソネーリ」は、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内である4位(ボローニャ)からは勝点差9も離され、ヨーロッパリーグ(EL)出場圏の5位(ユベントス)やカンファレンスリーグ出場圏の6位(ローマ)との差もそれぞれ8、5。残り試合はまだ8つあるとはいえ、不安定な今季のミランがこの差を詰めていけるかどうかは極めて疑わしいと言わざるを得ない。
アタランタを除けば、上位勢が軒並み勝利を飾った今節に無残な敗北を喫したのも、今季を象徴する事象だと言えるかもしれないが、同メディアはこのような結果に陥った原因として「個人のミスと集中力の欠如」「守備の不安定さ」「リーダーシップの欠如」「戦術面での問題」の4つを挙げ、いっこうに改善されないこれらの問題は「もはやチームのDNAに刻み込まれているようだ」と綴った。
このように、ほぼ目標を失ったセリエAとは対照的に、彼らが絶対に勝たなければならないのがコッパ・イタリアだ。これを制すれば、来季のEL出場権を得られるからであり、ミランにとっては現時点で欧州に辿り着ける唯一の道だとも言えるかもしれない。もっとも、4月2日と23日に対戦する相手は宿敵インテルであり、同メディアが言うように「明らかに不利」だ。
ただ、同メディアは「ファンの間では今、とにかく、何が何でも欧州カップ戦に出場するべきなのか、あるいは、来季は国内リーグに集中し、余計な負担を減らしてチームを立て直すべきなのか、意見が分かれている」とも伝えているが、このこともミランの深刻な現状を表わしていると言えよう。
2022-23シーズンにはCL準決勝という大舞台で「ダービー」を実現したミラノの両雄だが、宿敵が今なお強さを維持し、セリエAでは首位に立ち、欧州の舞台でも上位進出が予想されている一方で、あまりに寂しい状況に身を置いてしまっているミラン。スーペルコッパ(3-2で優勝)の再現で、復興の足掛かりを掴むことができるか。
構成●THE DIGEST編集部
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