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海外サッカー

売却候補から一転、不可欠なリーダーに! フリック監督の就任で大化けしたラフィーニャ、現地メディアも「27、28歳でこれほどの覚醒を遂げた選手は記憶にない」

下村正幸

2025.04.09

いまやバルサ攻撃陣に不可欠な存在となったラフィーニャ。(C)Getty Images

いまやバルサ攻撃陣に不可欠な存在となったラフィーニャ。(C)Getty Images

 ラフィーニャはフリック・バルサの申し子のような存在だ。
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 縦方向の推進力や裏のスペースを攻略する破壊力をもたらす働きに加え、ハンジ・フリック監督が持ち込んだ攻守の切り替えの速さを重視した野心的なサッカーで、快進撃を続けるバルセロナを支えている。

『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏は「27、28歳でこれほどの覚醒を遂げた選手は記憶にない。モハメド・サラー(リバプール)が最も近いかもしれないが、彼でも24~25歳頃だった。ラフィーニャのケースは異例だ」と指摘する。

 実際、昨夏にラフィーニャは売却候補の上位に挙げられていた。本人も母国のレジェンドのロマーリオとのインタビューで「コパ・アメリカの後、バルサを去ることを考えていた」と明かしている。それを踏みとどまらせたのが他でもないフリック監督だった。同じインタビューで「フリックから電話がかかってきて、『君を戦力として頼りにしている』と言われた。その言葉が残留の決め手となった」と振り返っている。
 
 しかし、その監督の信頼があったとはいえ、チーム内での立場を劇的に好転させたのはラフィーニャの努力の賜物だ。スペイン紙『スポルト』の元編集長、エルネスト・フォルチ氏は、その活躍ぶりを目の当たりにして、「ラフィーニャがここまでのブレイクを遂げることができたのは、逆境の中でも自分自身を信じ続けられたからに他ならない。そして同時に、実際にはまだまだ成長の余地を残していたにもかかわらず、これ以上の上がり目はないと決めつけていた私を含めた大半のジャーナリストやコメンテーターに、『謙虚さを忘れてはいけない』という残酷な教訓を与えることにもなった」と自戒の念を込めて綴っている。

 キャプテンマークを巻く姿もすっかり板についてきた。ジャーナリスト兼作家のジョアン・カニェテ・ベイル氏は、「ラフィーニャが(昨年8月に)チームのキャプテン(第4キャプテン)の1人になることが分かったとき、ある種の驚きがあったが、今となっては、フリックが築き上げたチームで腕章を巻くのに彼ほど適した選手はいない」と賞賛。さらにそのリーダーシップがもたらす効果について「ラフィーニャが体現するプレーの価値観が、若い選手が多いチームの模範となっている。キャプテンがフリーラン・スプリント、プレッシング、ドリブル、タックル、パス、シュートと、一つひとつのプレーに全力で挑んでいるのだ。他の選手が手を抜くことなんてできっこない」と言及する。

『スポルト』の副編集長、アルベル・マスノウ氏は、「バルサはラフィーニャを必要としている」と改めて強調している。今シーズンは大舞台での強さも発揮している。今夜はボルシア・ドルトムントとの大一番(チャンピオンズリーグ準々決勝第1レグ)が予定されているが、こういう試合でのラフィーニャが怖いことは、これまでも十二分に示されている。そのパフォーマンスに注目したい。

文●下村正幸

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