アルゼンチン代表は3月のウルグアイ戦(1-0)とブラジル戦(4-1)を連破し、北中米W杯の本選出場を決めた。特筆すべきは、怪我でメンバーから外れたリオネル・メッシ不在の中でそれを成し遂げたことだ。
【動画】ブラジルが宿敵アルゼンチンにまさかの大敗...
もはや同代表は、10番が不在でも競争力が落ちないチームへと進化を遂げた。米スポーツサイト『The Sporting News』が報じているように、それは、リオネル・スカローニ監督就任後のメッシが欠場した計22試合で、17勝3分け2敗という好成績を残しているということにも裏付けられている。
ただだからといって、メッシ不要論に発展するような事態には全くなっていない。ダイナミズムや運動量を重視するスカローニ監督率いるアルゼンチン代表のサッカーと、省エネでのプレーを極限まで高めたメッシとは相容れない関係のようにも見えるが、カタールW杯から変わったのは、その天才フットボーラーへの依存度が多少低下したくらいだ。
アルゼンチン紙『ラ・ナシオン』は、メッシの重要性について「すべてはサッカーが答を出している。相手に的を絞らせないために混乱させる必要があるなら、メッシほど上手くやる選手はいない。後方からパスを繋いで相手のゴールに迫るのであれば、彼はそのスペシャリストだ。メッシはどんなシステムにも適応できる。そればかりか、彼のサッカーIQはあらゆる局面のクオリティーを高める」と強調している。
それはスカローニ監督にとってももちろん同様で、アレクシス・マク・アリステル、ロドリゴ・デ・パウル、エンソ・フェルナンデスの中盤トリオのように、カタールW杯後、不動のレギュラーと呼べるまでにステータスを高めた選手がいる中でも、メッシを唯一のアンタッチャブルな存在として位置づけている。
数か月前にも指揮官は、「次のW杯でもメッシの居場所を確保しなければならない。登録選手枠が26人だったとして、それが何だというんだ? 10番は彼のために用意しなければならない。メッシは自分自身でキャリアとアルゼンチン代表からの引き際を決める権利を得たと私は考えている」と語っている。
ただ同時に「メッシがいない時のプレーモデルを探し、彼の不在の影響をできる限り目立たないようにしていかなければならない」とも述べており、その来るべき日に備えて準備を進めた結果が、3月シリーズのウルグアイ戦とブラジル戦の連勝でもあった。
メッシが本大会に出場するかどうかが今後の焦点になってくるが、『ラ・ナシオン』紙はその展望について、「最初のポイントとなるのはコンディションだ。メッシは過去1年半の間に、それまでの10年間よりも多くの数の負傷を経験している。おそらく試合に出る頻度はこれまで以上に間隔を空けた形になるだろう。身体のケア、特定の部位にフォーカスしたトレーニング、休息も以前より必要になってくるはずで、彼はすでにそれらを理解している。だからこそ、W杯出場について言及せず、可能な限り短いスパンで目標を設定しているのだろう」と考察している。
すなわち出場国が32→48、総試合数は64→104に拡大する北中米大会では、フル稼働は難しいだろうということだ。
「メッシがチームにもたらすものは本当に信じられない。これほど影響力のある選手を見たことがない」
スカローニ監督はこうも力説している。アルゼンチン代表はポスト・メッシ時代に向かってソフトランディングをスタートさせたが、指揮官にとってもチームメイトにとっても10番は10番のままであり続けている。
文●下村正幸
【動画】イングランド、W杯予選2節ラトビア戦ハイライト
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もはや同代表は、10番が不在でも競争力が落ちないチームへと進化を遂げた。米スポーツサイト『The Sporting News』が報じているように、それは、リオネル・スカローニ監督就任後のメッシが欠場した計22試合で、17勝3分け2敗という好成績を残しているということにも裏付けられている。
ただだからといって、メッシ不要論に発展するような事態には全くなっていない。ダイナミズムや運動量を重視するスカローニ監督率いるアルゼンチン代表のサッカーと、省エネでのプレーを極限まで高めたメッシとは相容れない関係のようにも見えるが、カタールW杯から変わったのは、その天才フットボーラーへの依存度が多少低下したくらいだ。
アルゼンチン紙『ラ・ナシオン』は、メッシの重要性について「すべてはサッカーが答を出している。相手に的を絞らせないために混乱させる必要があるなら、メッシほど上手くやる選手はいない。後方からパスを繋いで相手のゴールに迫るのであれば、彼はそのスペシャリストだ。メッシはどんなシステムにも適応できる。そればかりか、彼のサッカーIQはあらゆる局面のクオリティーを高める」と強調している。
それはスカローニ監督にとってももちろん同様で、アレクシス・マク・アリステル、ロドリゴ・デ・パウル、エンソ・フェルナンデスの中盤トリオのように、カタールW杯後、不動のレギュラーと呼べるまでにステータスを高めた選手がいる中でも、メッシを唯一のアンタッチャブルな存在として位置づけている。
数か月前にも指揮官は、「次のW杯でもメッシの居場所を確保しなければならない。登録選手枠が26人だったとして、それが何だというんだ? 10番は彼のために用意しなければならない。メッシは自分自身でキャリアとアルゼンチン代表からの引き際を決める権利を得たと私は考えている」と語っている。
ただ同時に「メッシがいない時のプレーモデルを探し、彼の不在の影響をできる限り目立たないようにしていかなければならない」とも述べており、その来るべき日に備えて準備を進めた結果が、3月シリーズのウルグアイ戦とブラジル戦の連勝でもあった。
メッシが本大会に出場するかどうかが今後の焦点になってくるが、『ラ・ナシオン』紙はその展望について、「最初のポイントとなるのはコンディションだ。メッシは過去1年半の間に、それまでの10年間よりも多くの数の負傷を経験している。おそらく試合に出る頻度はこれまで以上に間隔を空けた形になるだろう。身体のケア、特定の部位にフォーカスしたトレーニング、休息も以前より必要になってくるはずで、彼はすでにそれらを理解している。だからこそ、W杯出場について言及せず、可能な限り短いスパンで目標を設定しているのだろう」と考察している。
すなわち出場国が32→48、総試合数は64→104に拡大する北中米大会では、フル稼働は難しいだろうということだ。
「メッシがチームにもたらすものは本当に信じられない。これほど影響力のある選手を見たことがない」
スカローニ監督はこうも力説している。アルゼンチン代表はポスト・メッシ時代に向かってソフトランディングをスタートさせたが、指揮官にとってもチームメイトにとっても10番は10番のままであり続けている。
文●下村正幸
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